倖田來未にhideファンが激怒!! 「hideを汚すのは許さない」
まあ「よりによって大変な曲選んじゃったわね」としか言いようがないのですが、正直なところ「元曲への愛情たっぷり」なカバーは概ね駄作になるもんでして、元曲まんまでやろうとしたら音楽的にも評判的にももっと悲惨なことになっていたことは間違いないと思います。数多のビートルズ曲の「愛情あふれる」カバーなんて9割5分音楽としてはクソですもの。適度なリスペクトと適度な「やらかし」、そのバランスから生まれる元曲とは微妙に別の価値。ここがカバー曲の妙であると信じて聴き続けております。
ただ、日本にはそういう意味での「カバーの名手」はなかなか現れません。イギリスにはPet Shop Boysという変態カバー魔術師がいらっしゃるのですが。聴いたボノが「俺何か悪いことしたかよ」とボヤいたと噂のU2"Where The Street Has No Name"、元々アッパーな曲を極限のキレキレにまで持って行ってしまったBlur"Girls & Boys"あたりは本当に頭おかしい。
アメリカではカバーの数こそ多くないものの、Sonic Youthはいちいち素晴らしかった。特に、Neil Youngのトリビュート盤に収録された"Computer Age"のカバーが最強。Neilの元曲は理由はあったとはいえ電子楽器やヴォコーダーを多用し当時は「迷走」と言われたアルバム「TRANCE」収録曲で、正直かっこいいかと言われたら曖昧に返事したくなる出来なのをカバーしたらこうなっちゃうわけですから。
というか、当時20歳の自分がそのNeil Youngのトリビュート盤を聴いたことが、カバー曲漁りに向かわせるきっかけになったもんで。
それにしても、今回に限らずひとりのミュージシャンを無条件全肯定というか神格化しちゃってる人たちがネット上に集まると、その集まった意識が他のファンに対しても「同調圧力」的に働くこともあるので、できるだけ冷静にはなってほしいと思います。ただまあ、それくらいの求心力を持つレベルのミュージシャンがついぞ出てこないことが最近の日本のシーンの問題でもあるわけで、悩ましいっちゃ悩ましい。