だからネット上でバンドをつまんねえとかディスる時は自分がどのバンドを一番好きかを、アイドルをブスだと罵る時は自分はどのアイドル・女優が一番可愛いと思うかを、芸能人のニュースに「誰だよ」とコメする場合には自分が知っている一番マイナーだと思う芸能人の名前をもれなく添えて書いてくれ。

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何か閉店するCD店の情報を検索していると地元のタワレコ等々の閉店に寄せて「CD売れないもんな」という感想を非常によく目にします。CDの総売上が落ち続け、CD店舗が全国的にガンガン潰れていることは事実ですが、ただ「イオン系列のショッピングモールからタワーレコードが撤収」については必ずしも売上だけが原因ではないということは一度改めてまとめておきます。

2000年前後あたりからイオンを始め大手小売企業が郊外型ショッピングモールを全国各地で開業し、タワーとHMVを中心にCDショップチェーンがそこへの入居を競う状態がありました。その頃のタワレコはまだ特定の小売企業と懇意になることもなく、いろんな企業のショッピングモールに入りまくり店舗網拡大しまくりだったわけですが、2000年代後半あたりから目に見えてCDの売上が低下したり全国的に新規SCの進出が一段落したりで出店ペースが落ち始め、さらに2010年あたりからその様子が変わってまいります。

タワレコは2002年にアメリカ本社から独立して以降は伊藤忠商事が主に株を持ち、2005年にはNTTドコモが全株の42%を握って筆頭株主になっていましたが、2010年にセブン&アイが出張ってまいりまして、2011年には44%以上を押さえてドコモを抜いて筆頭株主に。ところが今年に入ってドコモが更に株式を取得し過半数越えで子会社化、というのがおよその流れですが、2010年にセブン&アイが大株主に名を連ねたことにより、イオン系のSCに入店することがめっきり減ってくるわけです。そりゃそうだ。ガチライバルの関連企業の店舗に入店しようとするのも頭おかしいし、じゃあどうぞどうぞと言う方も頭おかしい。
そしてその流れでイオン既存店からの撤収も増えてきます。

以下、2011年以降のタワレコの開店閉店一覧。

■開店
2011.03.03 タワーレコードアミュプラザ博多店(アミュプラザ博多=JR九州)
2011.04.26 タワーレコードあべのHoop店(あべのHoop=近鉄)
2011.05.25 TOWER mini汐留店(汐留シオサイト=多企業複合体)
2011.06.28 タワーレコード西武東戸塚店(西武百貨店東戸塚店=西武)
2011.07.14 TOWER mini西武船橋店(西武百貨店船橋店=西武)
2011.11.25 タワーレコードアリオ倉敷店(アリオ倉敷=セブン&アイ)
2011.12.16 TOWERmini アリオ松本店(アリオ松本=セブン&アイ)
2012.02.24 タワーレコード アリオ川口店(アリオ川口=セブン&アイ)
2012.03.23 タワーレコード LALAガーデンつくば店(ららぽーと(三井不動産))
2012.04.19 TOWERmini ダイバーシティ東京プラザ店(ららぽーと(三井不動産))
2012.04.19 タワーレコード 高松丸亀町店(丸亀グリーン=地元組合+森ビル)
2012.09.27 タワーレコード リヴィン光が丘店(LIVIN光が丘=西武)

■閉店
2011.06.12 タワーレコード千種店(イオン千種SC)⇒新星堂入店
2011.08.21 タワーレコード浜松市野店(イオン市野SC)⇒イケヤ入店
2011.08.21 タワーレコード長野店(K'Sスクエア=地元資本)⇒現在も空き
2011.08.21 タワーレコード熊本パルコ店(熊本パルコ)⇒g.u.(ユニクロ系列)に
2011.09.11 タワーレコード八千代緑が丘店(イオン八千代緑が丘SC)⇒HMV入店
2012.02.19 タワーレコード 宇都宮店(宇都宮パルコ)⇒100均ショップ等に
2012.03.06 タワーレコード 直方店(イオンモール直方)⇒HMV入店
2012.08.12 タワーレコード 大和店(イオンモール大和)⇒g.u.(ユニクロ系列)に
2012.09.02 タワーレコード 岡崎店(イオンモール岡崎)⇒HMV入店
2012.09.06 タワーレコード 水戸内原店(イオンモール水戸内原)⇒現在も空き
2012.10.08 タワーレコード 高岡店(イオンモール高岡)⇒HMV入店

新規開店・リニューアルしたアリオには必ず入居。そして閉店した店舗の多くはイオンです。
開店には西武も目立ちますが、これはWAVEが潰れた後の尻拭い。

片や一時本気で経営やばかったHMVはローソン傘下に入ります。ローソンは元々ダイエー系列。ダイエーの経営がやばくなった時にイオンが助けたりしていますので両社の関係性は比較的良好。少なくともタワレコ≒イトーヨーカドーよりはずっと仲良しです。
かくしてイオンの新規SCにタワレコが入ることはなくなり、イオン内の既存店舗もテナント契約が満了した際に更新せずに終了させてHMVに差し替えるという状況が各地で起こっているわけです。

ただ、セブン&アイが筆頭株主だった頃は間違いなくそういう状況と言えたのですが、ドコモが再逆転して子会社化してからはまたわかりにくくなっています。たとえばイオンモール盛岡では一旦閉店の決まったタワレコが一転営業継続となりましたが、つまりこれはギリギリで契約の更新に成功したと考えるのが妥当、これはドコモの子会社化により相対的にセブン&アイの発言力が低下したことに関係があるのではないかと考えているのですが。というか、高岡店閉店以降でも全国86店舗のうちイオン内に店舗を構えているタワレコは24店舗にのぼりますので、今後もセブン&アイ的な方針を貫いてその結果イオンからタワレコ全撤収したとしたら、タワレコは経営的に面白いくらい洒落にならない事態になること必至。イトーヨーカドーは元々新星堂が強いのですが、一店舗当たりの床面積がまるで違いますので、片っ端から新星堂をTOWERminiに差し替えたとしてもとても今みたいな商いは続けられないし、そんなことしたら新星堂も死んじゃうので必死に守りますし、そもそもドコモが羽交い締めにしてでもセブン&アイを止めます。

高岡くらいまでは恐らくセブン&アイ筆頭株主期におよそ撤収の結論が出ていて、粛々と作業していたのではないかという予想ですが、そんな感じなので今後どうなるかはよくわかりません。かなり利害関係ややこしくなっていますので、何かあるたびに水面下でごちゃごちゃやってるのでしょう。
買う方には知ったこっちゃないというか、面倒臭いだけで何の得もないわけですが、それでもみんな生きるのに必死なんだよ。