1/7のViViD、1/8のL.MCと、V系の武道館ライブが続いたのですが、ViViDはほぼ満員、L.MCは悲しいことになっていたようで。外からではそんなに大きな差に見えなかったんだけど、こうやって動員にばっつり差がつくのは何かやるせないもんです。
しかし、メジャーに来てからアルバムも出してない、シングル売り上げは最大で27,000枚程度というバンドがどうやって武道館埋めたのか、という点については非常に気になりますけど。
あと今日知ったんだけど武道館で開催されるライブとしては、V系の対極として5月にこんなのやるわけで、これはこれでどれくらい潜在顧客層がいるのかさっぱりわかりません。

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2011年の10枚。洋楽6枚。

Bon Iver / Bon Iver

今更ここでグラミーにノミネートされてるのを出すのもどうかと思ったんだけど、やっぱこれはいい。
M-1"Perth"の構成が結果としてアルバム全体の空気感を表しているのかなと。この曲の後半が大好きなんだけど、こういう美しさだけじゃない、もっと何か根源的なところに根ざした表現というか。だからSong Of The Yearにノミネートされてる"Holocene"はあんまり好きじゃない。綺麗すぎて。
つうか、これまでPitchforkの褒める音は何か敷居高いの多くて何となく敬遠してたんだけど、これからはちゃんと見ようと思った。


Grouplove / Never Trust A Happy Song

iPod touchのCMソングに使われてたり、ドラマーでアルバムのプロデューサーのRyanはYesのTrevor Rabinの息子だったり、話題性には事欠かないはずなのに何故か日本盤化が見送られたアルバム。何でさこんなにいいのに。
こんなタイトルのアルバムですが、基本的には非常に開放感溢れる、聴いていて楽しくなる音源。
一応アメリカをベースにして活動してるんですが、打ち込み使いつつ土臭いところもあったり、アメリカともイギリスともつかない音で、どこにルーツがあるのかよくわからない。強いて言うならOZっぽいと思っていたら、チャートアクション的には本当にオーストラリアが一番よかったという。


The Drums / Portamento

2010年のサマソニで観た彼らは異様でした。薄暗い照明の中ひたすらにエキセントリックな動きのステージング。昔ビデオで観たJoy Divisionを思い出すようなそんな風情。確かに1stアルバムもそのステージングを踏まえて改めて聴けば確かにそういう空気はあったんだけど。
そしてこの2枚目は完璧にそっち方面の志向剥き出し。音そのものは軽いのに、暗く淀んだ空気がどこまでもつきまとう。不思議で不気味な音。
ただ、これによって絶対に大ブレイクはしない方面の音になってしまったわけで、この先どうなるのか。


Beirut / The Rip Tide

彼はジプシー・ミュージックっぽいアルバムを出したり、中世ヨーロッパっぽい音と打ち込みオンリーの音を組み合わせた2枚組EPを出したり、これまでいろんな方向の音を試みていたものの、正直いまいちピンと来ていなくて。しかしここに来て非常に偏りの少ないニュートラルな音楽で勝負に来ました。これが素晴らしい。何かこれまでの経験で手に入れた音楽的引き出しを手札として切って空っぽになったその後に残った己の表出という感じ、しかもこれまで切った手札が血肉化してきちんと結実しているのがわかる音。
20代半ばでこんな集大成しちゃって、この先が多少心配ではあります。


Canon Blue / Rumspringa

今年最大の発見。あのタイミングでタワレコ行って試聴しなかったら気が付かなかった。ありがたい。
とにかく1曲あたりの情報量がハンパない。普通に静かに始まったと思ったら曲の最後の方ではオーケストラがぐわんぐわん言ってたり、それまでの流れでは想像もつかない音がスコンと入ってきて曲全体の表情を一気に変えて行ったり。かなり聴き込んでいるはずなのですが、全然飽きないんだよこれ。


M83 / Hurry Up, We're Dreaming

過去に何か1枚ざっと聴いたもののピンと来なくて、そのまま聴かずにここまで来たんだけど、たまたま聴いたリード曲"Midnight City"がかっこよくてアルバム買ったら全体的に何かすごいことになってた。CD2枚組全22曲、きっちりと流れを作り込み、一切ダレることなく最後までクオリティを保っているという恐ろしい事態。
ただ問題は"Midnight City"のPVが面白すぎて、最初YouTubeでは目の方に意識が行き過ぎること。つうか何なんですかこのPV。