長渕剛の「ひとつ」、CDは2/1発売で現状着うたの先行配信もなし。
それ、ものすごいビジネスチャンスの喪失じゃないっすか。

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2011年の10枚。まず邦楽の4枚。

パスピエ / わたし開花したわ

まんまとサブカルホイホイの魔の手にはまってしまったわけですが。
それでもアルバム通して聴くと、ただそれだけでないこともわかったりしまして。
サブカル地獄のM-2の他に、VOCALOIDの「神曲」のアベレージを取ったようなコード進行のM-1や、アレンジや歌い方まで蔦谷好位置期のYUKIを意識したとしか思えないM-6等、絶対こいつら確信犯的にやってるだろうとしか思えない局面多数。
やろうと思えば王道ポップスを高らかに鳴らしてそれなりに売りに出ることもできるだけのポテンシャルは明らかにあるんだけど、でも絶対にそっちにはいかないだろうなということもわかる音。
こういうひねくれ方こそがサブカルと呼ばれる所以、なのかも。


のあのわ / Hi! How Are You?

楽曲がCMに起用されたことを受けて慌てて製作されたと思わしき5曲入りミニアルバム。
なのにそのCM楽曲M-1が一番の駄曲という、ありえない内容。
80年代アイドル歌謡ライクなM-2、彼女達のポップな側面を2分ちょいの中にギチギチに詰め込んだM-3、疾走感とスケール感の同居がやたら気持ちいいM-4、得意技のミディアムテンポM-5。メンバー5人全員が作曲できるというメリットを最大限に生かした結果、異常な振れ幅をひとつの流れの中に押し込むことに成功しています。
やっぱり近年のバンドの中では圧倒的な実力があると思うのだけど。売れないねえ。


東京女子流 / 鼓動の秘密

女子アイドルグループのアルバムは意識的に聴くようにしていたのですが、音楽としては断トツでこれ。
ライブでは鉄板なので外しようがないんだけど「等身大」ソングだった初期シングルのM-4,7が蛇足に聴こえるくらい、その他の楽曲の「背伸び」感が往年のアイドルの匂いをさせつつアルバム全編を通して実にいい雰囲気を作っています。
大過ぎるバラードM-5からかっこいいのに歌詞の頭が悪い高速チューンM-6への流れが白眉。



KETTLES / ビー・マイ・ケトル

UKギターバンドをベースにした音を出すギター(男)とドラム(女)の2人組。
決してよいとは言えない録音、そして心底ひどい歌詞。ここまでダウナーな気持ちにさせる歌もそうない。それも、歌詞カード読んだ限りではさして響いてこないのに、メロディに乗った途端にその人間の屑っぷりが際立って聴こえてくるという嫌な奇跡。
STONE ROSESの"ELEPHANT STONE"のカバーも、勝手に付けた日本語詞があんまりでこれROSES本人が知ったら怒るんじゃないかという出来。
それでも、これが決め切れずにダラダラ生きている人間にとってのリアルなんじゃないか、だから無視できないんじゃないのか。
そんな感じで、否応なく存在感だけはでかかったアルバム。