9/23-24、宮城行って来ました。台風の影響でJR止まりまくりの中、予定を現地で復旧状況睨みつつガンガン変更しながら何とか。
今回、どうしても行きたかったのが石巻。
津波の大被害地に位置しながら、既に営業再開しているレコード屋があると聞いて。
鉄ヲタなので当初はローカル線を乗り継ぎながら行こうと思ってたのですが、完全に石巻行きの列車が止まっていたので急遽高速バスに切り替えて到着。
石巻の旧北上川周辺は以前から好きな地域だったのですが、もろに津波の被害を食らい、かつ被害が大きすぎて未だ復興どころか撤去や修繕すらままならない状態。半年たってもこの有様。本当にこれ、9/24の撮影です。
そんな中、本当に津波が上がってきた川から十数メートルというこんな位置で確かに営業中のレコード屋が。隣の建物が微妙に傾いてるのわかるでしょうか。正直営業してるのが奇跡みたいな場所。
ミュージック・ショップ オバタ。
喋り出したらノンストッパブルな明るいお母さんと、物腰柔らかいお父さんとで経営。
不幸中の幸い、船やら流木等の漂流物の直撃を避けられたため、建物に致命的な損傷はなく、常連のお客さんの声に後押しされ、ボランティアの手を借りて営業再開に漕ぎ着けたということ。本当に商店街丸ごとほぼ壊滅状態の中、「営業中」のノボリの何と頼もしいことか。
お母さんは「こんな状況で音楽なんて売ってもねえ」みたいなことを仰ってましたが、でも少なくとも今の石巻、商店はまだあんまりやっていないけど、街中の空気として最低限俺らみたいな物見遊山も受け入れてくれるくらいにはなっています(もちろん郊外の一部にはまだ大変な方もいらっしゃるそうですが)。少なくとも衣食住が全く足りずに殺伐としたような感じではなく。だとしたら、次は音楽とかそういうものこそ売るべきじゃないかと。「普通」の暮らしに戻っていくプロセスとして、このお店が復興の旗印のひとつになるんじゃないかと思います。
まだ仕入れもなかなか大変そうで、決して店頭在庫は豊かではなかったけれど、それでも1枚ちょっと気になったCDを購入。四人囃子のベスト盤なんすけど。
さすが演歌が主力の店だけあって、テイチクレコードからはこんなサポートが。
別の場所にはテイチク所属の関ジャニ∞の色紙も貼ってあったりしてちょっと笑った。
他のレコード会社ももっと被災地に向けてこういうことやればいいのに。確かに大規模チェーンのほうが楽だし効果的だろうけど、こういうお店をこういうときにフォローするのは、ビジネスとして考えてもイメージ的によいのではないかと思うんだけど。
つうか、大規模チェーンはいい時はいいけど、逝く時はごっそりWAVEみたいに逝きますので、こういう各地でいわばゲリラ的に展開している小規模店舗、今こそ大事にすべきだと思うんだよ。
ボランティアは素晴らしいし、義捐金も素晴らしい。
でも、復興っていうのは、義捐金頼りで生活を続けることではなく、地元の経済が回り、元々ビジネスをしていた人がまたビジネスで食っていける状態になることであり。
だから、たくさんの人にボランティアじゃなくても是非被災地に行ってほしいと思います。
石巻くらいの街は既に物見遊山を受け入れてくれるだけの懐の余裕はあります。駅前でいきなり知らんおばちゃんに話しかけられ、何もそんなこと聞いてないのに「津波の被害見るなら日和山が一番いいよ」と言われて面食らいましたが、それくらい。オバタのお母さんも、そういう人達にも来てほしいと言っていました。
現地で飯を食い、酒を飲み、タクシーに乗って、買い物をする。落としたお金が、ほんの少しかもしれないけど地元の経済を回す原動力になる。それでいいと思うんですよ。
石巻、宿泊施設も復旧しているようですが、状況によってはボランティアの方を優先した方がよいときもあるようです。仙台市の中心街は現状でほぼ何の問題もありませんので、そこからだと一番手っ取り早いのは高速バス。仙台駅前から1時間強で着きます。30分に1本。結構混んでますが、休日で出発の20分前に並んで問題なく乗れました。
ただ、高速道路が混雑していたため、20分程度の遅延が発生。
またJR仙石線+代行バスだと時間はかかりますが、比較的オンタイム。また海沿いの被害状況を目の当たりにしながら行くことができます。自分も帰りはこのルートでした。
時刻詳細はこちらが詳しいです。
オバタ、スタンプ一杯になるほど通えないけど、でもお母さん、カード発行してくれました。
水に浸かって少しよれよれになったカードでした。