Perfume、シングル「スパイス」がTBS金曜ドラマ主題歌に

このドラマのタイトル。ドラマもか、という感じ。
元々は「私はシャドウ」というマンガに「専業主婦探偵」というドラマのみのタイトル付けをプラス。これ要するに「内容のサマリー」をわかりやすく提示するためのもので、こういう感じのタイトル付け、「内容保証」をタイトルに込める傾向っていうのは徐々に今後も拡大するんじゃないかと。
ドラマの続きの映画ばっかりというのも、あれはドラマでおおよその内容が保証されているからこそ、受けると踏んでる節もあるわけですし。

こと音楽についてはこっちの分野では先んじている感がありまして。
曲の邦題でわかりやすく「効能」を表示してお買い求めやすくした、ダニエル・パウターの『BAD DAY 〜ついてない日の応援歌〜』が2006年。それがきっかけというわけでもありませんが、2000年代後半以降、J-POPにしてもその歌詞の内容がタイトルから容易に類推できる曲が大変に増えました。携帯のあの画面の中に収まる分量の情報からダウンロードまで至ってもらうための努力の結果ということでしょうか。
今年着うたでバカ売れしたRAKEの『100万回の「I love you」』とかもう、絶対タイトルからイメージできる以外の内容を類推しようがないもの。絶対外れなし。これでブラックメタル系の猟奇的な歌詞とかだったら訴訟が起きるレベル。

西野カナは『遠くても』『君に会いたくなるから』『会いたくて 会いたくて』と、非常にそれっぽいタイトルの楽曲をぶっ放し、「会えなさすぎ」と各方面から突っ込まれるほどですが、それだけそういう「好きな人に焦がれる」ラブソング・シンガーとしての認知が異常に高いということであり、それは彼女にとって決してマイナスではないわけで。
Julietもある意味秀作。『ナツラブ』『フユラブ』『ハルラブ』『アキラブ』等の一連のシリーズ作品は、たった4文字のタイトルが内容のサマリーとして機能しています。

そう見ていくと、たとえばヒルクライムは歌詞はわかりやすくても『春夏秋冬』以降『ルーズリーフ』『トラヴェルマシン』等必ずしもわかりやすいとは言えず、タイトルについては何がしかの「意地」を見て取れます。
だから最近いまいちなのか、という気もしますが。

そんな世の風潮の中、いくら演歌だからって一見さんにはまったく意味不明なタイトルの楽曲を連発して我が道を貫き通す氷川きよしには惚れざるを得ない。
去年の『虹色のバイヨン』に続き、今年は『情熱のマリアッチ』! 何だよマリアッチって。