11月8日は日本武道館で甲斐バンド50周年ライブ。
断続的にやっている「ベテランのライブは観られるうちに観ておけ」シリーズの一環。

甲斐バンドを最初に認識したのがいつだったか、正直よく覚えていません。
ただ、大人になって聴きなおした際、「俺この曲聴いたことがある」と思った曲が山ほどあったことを覚えています。
小学校高学年から高校生まではひたすらラジオを聴いていたので、きっとその時に触れたのだろうと思うのですが、聴きなおした際に思ったのが異常なメロディの強さ。
甲斐バンドのメロディの強さは2種類あって、シングルヒットした「HERO」「安奈」「ビューティフル・エネルギー」のように猛烈にサビが強いヤツと、「裏切りの町角」「テレフォン・ノイローゼ」「漂泊者(アウトロー)」のような「これはAメロなのかサビなのか」「次に来たこれが本当のサビなのかそうでないのか」よくわからない、しかしとにかく曲全体通してメロディが強いヤツ。
前者の大ヒット曲はさすがにどこかで聴いたであろうことはわかるのですが、後者を聴いた時の「この曲、いつどこでかは全く覚えていないが絶対聴いたことがある」感がすごくて。それだけ強い、必ずしも美しいものではなくとも、やけにキャッチーで耳に残るメロディであったからこそではないかと思います。
甲斐バンドは1986年にいったん解散、それ以降は割と散発的な再集結なのでなかなかライブに行けなかったのですが、今回の武道館については運よくチケット発売日前に情報を得ることができました。
会場内には「過去の日本武道館公演のセットリスト」がびっしり書かれたポスターがあちこちに貼ってありまして。

最初2回4公演の「きんぽげ」始まり「100万$ナイト」終わりという「パターン」が今回復活したら面白いけどそれはないか、みたいなことを友人と話しつつ、始まってみたらアルバム楽曲で過去のライブでは後半畳みかけの一翼を担っていたはずの「翼あるもの」始まり。
それは予想していなかった。
01.翼あるもの
02.三つ数えろ
03.キラーストリート
04.フェアリー(完全犯罪)
05.シーズン
06.東京の一夜
07.港からやって来た女
08.カーテン
09.Blue Letter
10.テレフォン・ノイローゼ
11.ビューティフル・エネルギー
12.安奈
13.裏切りの街角
14.黄昏に消えた
15.嵐の季節
16.氷のくちびる
17.ポップコーンをほおばって
18.冷血
19.漂泊者(アウトロー)
20.HERO(ヒーローになる時、それは今)
EN1
01.ダイナマイトが150屯
02.観覧車'82
03.ラヴ・マイナス・ゼロ
EN1
01.100万$ナイト
「HERO」で本編が終わった時にはさすがに「ラヴ・マイナス・ゼロ」でアンコール締め、ダブルアンコールで「100万$ナイト」という流れは予想でき、その通りだったので何か嬉しかったです。
通してセットリストを眺めると、ヒット曲や定番曲をただ並べただけではないことがわかります。
事前にMy Best 3を募ってそれを参考にしたセットリストですので、サブスクでは版権の都合でなかったことにされていて、ライブでの披露も多くなかった「ダイナマイトが150屯」のカバーが入ってくるのはすごくわかりますし、特に好きな「地下室のメロディ」「破れたハートを売り物に」あたりが入ってなかったのは残念でしたが、言うてみればもう名曲の連打ですので、満足感はハンパない。
そして、周年の記念ライブにありがちな、ゲストだったり特別な演出がまったくなかったところも、「バンドがこれまでやってきたこと、そして現在地をひたすらに見せつける」ことに特化した「意図」のようなものを感じて、むしろそれがいい。
何よりメンバーが異常に元気。松藤さんはやや年齢相応感があってドラムにはサポートも入り、「ビューティフル・エネルギー」も2番以外は甲斐さんに歌を任せていたけど、かといって歌は全く問題なく何より大変に楽しそうで。
一郎さんもパッキパキに弾き倒していてえらくカッコよかったし、甲斐さんに至ってはマイク蹴るし回すし、何より歌う歌う。70歳過ぎてむしろ抜群じゃないですか。
「ベテランのライブは観られるうちに観ておけ」ということで今回行ったわけですが、まだまだこの人たちは当分終わりそうにないです。
というか、公演終わりにいきなり告知されたのが12/26の豊洲ピット。
LEDスクリーン出の演出を大々的に導入するということで、このお年頃のミュージシャンとしてはかなり意欲的な試みです。
1986年、確執の果てに解散したバンドではありますが、今はすごく楽しいのだろうなあ。
それでいい。
ただこの日、東京ドームでは永ちゃんも50周年ライブ、Kアリーナでは槇原敬之、ぴあアリーナではGRANRODEO、ZOZOマリンではKAT-TUN、幕張メッセではLUNA SEA主催のフェス。
全国的にライブ会場不足している問題の一因に、70年代からやっている人たちの多くが未だに一線級で活躍しまくっているせいでもあるのかもしれない、と思いました。
でも、それでいい。