今年のサマーソニック(幕張)、今回は例年通り会場の変化とかを。

会場で昨年と最も大きく変わったのは、ホール1から11まで、「幕張メッセ」という施設のホールとして仕える設備の中で、イベントホールを除いた全てを使用するようになったこと。
ステージとしては、元々1-8の端っこホール8のあたりにあったPACIFIC STAGEが9-11に移設された形になりました。
サイトに掲載されたMAPで行くと、下部に出っ張った部分です。

2023年までは1-8までのみ、2024年は1-8と9-10まで使用していました。
2024年、何で11まで借りなかったんだという話もありますが、クリエイティブマンがプランを固める前に「超からだのひみつ大冒険」という、小学生男子にストライクな企画が既に押さえていたため。

そのせいで9-10では大きな音を出すことができず、物販とクロークと休憩所を置くだけの場所になっていました。
それが今年、無事11まで押さえ、ステージを設置することに成功したわけです。
一方、1-8の並びについては、2019年まではお笑いやアイドルが出演する小さなステージを除けば3つのステージを置いていたのですが、2022年からスポンサーの名前を冠することもある小ぶりなステージをもうひとつ追加し、4ステージ構成となっていました。
そのせいで当然フードエリアをはじめとしたパブリック的なスペースは削られるわけですが、一方その頃にはK-POPやJ-POPのダンス&ヴォーカルグループを大々的に導入するようになっていたがため、興味がある/知っているミュージシャンを観る時以外はひたすらフードエリアに滞留する参加者も増えてきておりまして、いよいよ場としてはエグいことになってきまして。
それが2024年に9-10を追加した理由ということになるのですが、物販とクロークだけですので、そちらに大々的に誘導することもできず、結局2023年と状況はあまり変わりませんでした(物販が屋内に入ったことで熱中症等のリスクが大幅に軽減されたことは◎ですが)。
それが今年、11までを押さえられたことで、ようやく小学生男子に気兼ねすることなく音を出せるステージを設けられるようになりました。
PACIFIC STAGEのタイムテーブルを見ると、K-POP・STARTO・LDHの若手、アニメ系のAve Mujica、オーディションで話題になったHANA等々、「興味がある/知っているミュージシャンを観る時以外はひたすらフードエリアに滞留する」傾向がありそうな「この人たちが好きだから来た」というタイプのファンが多めのグループ・ミュージシャンを配置しています。
実際これによって1-8内部の人流は多少ですが穏やかに。
導線の管理も昨年より行き届き、終演後には大勢の人で埋まるような場所に座り込んで、実際終了後どんだけ人が大量に来ても意地でもそこから動かず、むしろ威嚇してくるような方々はいなくなりました。
ただ、今回新たに運用が始まった9-11の取り扱いはさすがにまだまだでした。
9-11棟への出入り、またホール内に入ってもPACIFIC STAGEへの出入り、その双方がIN/OUTがほぼ分離されていないため、入りたい人と出たい人が完全にぶつかってしまい、ほとんど動かなくなったりすることも。
自分が出ようとする時にも、ぐいぐい入ってこようとする人がいて、「出なけりゃ入れないだろうが!」と思ったけど、でも向こうは向こうで少しでもステージに近い場所に行きたいその気持ちは何となくわかりますし、地蔵する輩よりはまともだし。でもどけ。
あと、1-8から9-11の間の微妙な距離の陸橋がステージ終了後にすごい渋滞になるのも問題で。本当に動かない。スタジアム終了後にメッセに戻る道よりも動かない。
多分ホールとしては「出る」口と「入る」口を別にできる構造ではあると思いますし、「1-8から9-11に向かう」と「9-11から1-8に戻る」を分離することも、警察や行政と連携を取って公道を利用する形で地上の経路を使えば可能ではないかと思いますので、ここらは来年どうなっているか確認。
そして観る側としては、9-11にステージが導入されたおかげで、ほぼスペースとして変更のなかった既存のMOUNTAIN STAGEの音が昨年よりよくなったというかデカくなったのが嬉しい。
9-11の導入で、1-8もステージとステージの空間に余裕を持たせることができるようになったおかげでしょうか、昨年までは丁寧に設定調整して出している感のあったMOUNTAINの音が、割とシンプルに前方のスピーカーからドカンと音が出てくるようにになっていて。
それでBABYMETALやThe Prodigyのようなラウド系の音を受け止めるのは、これ随分と具合がいいです。
一方9-11に移設されたPACIFIC STAGEも、分離された棟の中の唯一のステージですから、こちらの出音もデカくて気持ちがいい。
この変化は純粋に音楽フェスとしてよいことです。
もう一点、今回SUMMER SONICアプリに各ステージの混雑状況を表示する機能が追加されていて、それ自体は大変に素晴らしいのですが、運用にちょっと疑問が。
この2日間で最も混雑した2日目AMのMrs.Grren Appleは11時の演奏開始早々にスタンドに入場規制が入り、その後スタジアムのライト側のスタンディングエリアも規制されたにもかかわらず、全く以って「余裕があります」の表示から変わらず、結局赤信号マークが表示されたのは演奏も後半に差し掛かった11:25頃でした。
これ、11:25頃まではレフト側のスタンディングエリアはまだ入れたから敢えて変更しなかったのでしょうか、それとも何らかの運用遅延が発生していたということでしょうか。
これ、前者であればスタジアムは「規制するエリアごとの表示」にした方がいいと思います。後者であれば、頑張ってください。