ロッキンオンソニックに行ったこと

1月4日/5日、ロッキンオンソニックに行ってきました。


出演者については、大きい方のGALAXY STAGEはまるで「サマソニには全体方針の変更でなかなか出演できなくなってしまったそれなりに大御所バンド」、小さい方のCOSMO STAGEはかつてスタジオコースト等で開催されていたHOSTESS CLUB WEEKENDERのような、クセ強めの若手・中堅バンド主体といった趣で、どっちも過去の自分が好きだったものなので、それが2つ組み合わさったような今回のフェスは、もう文句のつけようがない。

ただ、もう少し細かく言うと「第一線で活躍中ではあるものの、最盛期と比較すると勢いが落ち着いたバンド」と「これから盛り上げていきたい若手・中堅バンド」の他に「本国やその他の国では単独でアリーナ以上のレベルの人気があるものの、日本ではそこまで人気がないバンド」の合計3種あるような気はします。

その流れで思ったのは、The Jesus And Mary ChainやPrimal Scream、あとSt.Vincentあたりはこの公演が実質「ニューアルバムリリースに際しての来日公演」の位置付けになってしまうのだろうなということ。
現状ではなかなか大々的に単独来日公演を組むのもリスクがある中、こういうフェスの形で来日を実現させるという方針でもあるのではと思います。

そうやって選ばれたバンドに駄目なものがいようはずもなく、正味どれも見逃せないのですが、さすがに飯食う時間もいるしずっと立っているのは辛いので、そこは前半観て「これは涙を飲んで切るか」と思ったバンドは後半血の涙を流しながら飯タイムに回すとか、断腸調整続きの2日間。

それでも、自分のような人間はかなり多いようで、あからさまにガラガラなアクトは一切なく、みんな相当に満遍なく観ていて&各ステージそれなり以上の盛り上がり。

個人的には、1日目は過去観られないままいったん解散してしまったPULPを生で観られる喜びをかみしめ、2日目はPostal Serviceとの2マンで大々的に世界ツアーを行ったものの、国内人気のそれほどでもなさで日本をスルーしたDeath Cab For Cutieの「Transatlanticism」が聴けた時点で全部OKな気持ちに。
それで満足していたら、その後のWeezerが後半に1stアルバム楽曲を畳みかけてきて死にそうになるとか。

しかし、若者も思ったより割といて、PULPの時にジャーヴィスに声援を送っていた若い人もいたのですが、今の30代以下はどうやってPULPと接点を持ったのかさっぱりわからない。
初めての接点がこの場なんだとしたら、それはとても喜ばしいことです。
接して。もっと接して。

そんな感じで観たステージについて文句は一切ないのですが、会場や運営についても初めてのフェスにして一切文句の付けようがない状況で。

何せインフラの基本は年末のCOUNTDOWN JAPANをまんま流用です。
一番でかいEARTH STAGEとそちらへの導線を切り、物販やフードのみを置き、ほぼ人の流れの調整に使われていたイベントホールと9-11もカット。

結果としてホール4-8のみを使用する形なわけですが、CDJが4日で13万人以上動員して何とか回せていたところに、今回は2日間で23,000人程度。流量調整は一切必要がないレベルの人数にして、2つのステージのある本体部分はほぼCDJとほぼ共通で人数1/3。余裕もいいところです。

トイレはGALAXY STAGE終演直後に多少行列ができる程度、フードも大人気のところ以外ほぼ列はなく、エリアの少し端っこの方にさえ行けば確実に座って食える。快適です。

フェスのコンセプトから言って「好評だったのでEARTH STAGEも使用して大型化します」という方針変更も当面はなさげですが、問題は「来年またやるのか」という点。
ラインナップも居住性も最高だっただけに、ぜひ続けていただきたいのですが、このコンセプトにマッチするバンドがあとどれくらいいるのかどうか。

Smashing Pumpkinsは声をかけたものの都合が合わなかったという話はありますし、「第一線で活躍中ではあるものの、最盛期と比較すると勢いが落ち着いたバンド」を思い出してみても、「今どこまで訴求力があるか」は一旦置いておくと、Suede、Jesus Jones、Dinosaur Jr.あたりは思い付く。

「本国やその他の国では単独でアリーナ以上のレベルの人気があるものの、日本ではそこまで人気がないバンド」は、The NationalやTravisあたりでしょうか。

今回もThe Jesus And Mary Chainがいたことですし、80年代が最盛期だったバンドまで入れれば、Duran Duran、Tears For Fears、Simple Mindsとかも。
行ける。行けるぞ。
というか、私はO.M.D.が観たい。とても観たい。

とりあえず誰であれ、来年もあれば行きます。
行きますが、更にその先を考えると、再来年の1月の最初の土日は1/2-3、その次の年は1/1-2。
こうなってくるとCDJのインフラを使用しての開催は正味難しく、というかもし無理くりやったとしても、さすがに元旦からフェスに行くという選択は、特におっさんおばさん層にはなかなかできることではありませんので、やっても数回の実験的なフェスになってしまう可能性が高い、のでしょうかやっぱり。