ZAZEN BOYSのライブ@日本武道館のこと

最新アルバム「らんど」は、過去のZAZEN BOYSのアルバムとは何となく質感が違うと思っていて。
これは久々にライブを観なければいかんと思ったら日本武道館。そりゃ行きます。

九段下駅から会場に向かう際、「あれが『大きな玉ねぎ』か!」という、実際に耳にしたのはサンプラザ中野が歌った時以来かもしれない言葉が聞こえてきたり、会場に入ると喫煙所が過去に見たことがないレベルで長蛇の列という、そんな感じの客層。

メンバーが入場し、向井秀徳がビールの缶を開けた音がマイク越しに聴こえてきたところでライブ開始。最高。
せっかくの武道館の大きなステージなのに、だいたいいつものライブハウスのステージと同じくらいの面積にちんまり集まって演奏しているのがいい。
自分が観たライブの中でこれよりステージ面積比でちんまりしていたのは、フジロックのグリーンステージで観たルースターズくらいです。

思いや感情はミチミチに詰まってはいても、メッセージ的な「意味」は大変に希薄な歌詞。何か口を開けばだいたい「MATSURI STUDIOからやってまいりました。ZAZEN BOYSです」しか言わないMCと相まって、「意味は凄まじく希薄なのに音楽としては凄まじく濃密」という、それはこういう轟音で聴くライブミュージックとしては最高の塩梅ではないですか。

彼らの音はおよそガキガキのゴリゴリですが、そのバックボーンには実に様々な音楽が潜んでいて。
それはわかっているのですが、この日くらいそれを明確に感じたことはなくて。
ラップっぽかったり、フォークっぽかったり、ウエストコーストっぽかったり、ニューウェイヴっぽかったり。
ニューウェイヴっぽい音も更にP.I.L.っぽかったり、The Smithsっぽかったり。

特に「らんど」収録の新曲にそれを強く感じて、ようやくこのアルバムの過去作との差異は、そういう音楽としての「豊かさ」というか「美しさ」、過去作以上にそっちに軸足を置いているからなのではないか、と思ったり。
でも過去作の楽曲でも存分にそんな「豊かさ」を感じることはできたので、やっぱりライブ最強です。

あの場で鳴っていた音は本当に本当に美しかったのですよ。
たとえ向井秀徳がゴム人形を引っ張りまわしながら歌っていたとしてもだ。
とりあえずどうかしてるEP「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」のどうかしてる楽曲「HENTAI TERMINATED」「HARD LIQUOR」が連発で来たところが個人的ピーク。

そんな感じで二部構成+アンコールで一切ダレないブレない3時間20分。
これまで観た彼らの中で最高のライブではあったのですが、これが彼らのタイムラインの中での集大成なのか新しい起点なのか単なるひとつのライブだったのか、正直よくわからない。こういう感じで彼らはずっと続いていくのでしょう。

ただ、ステージ上であんだけ演奏しながらビール飲んでて、ライブ後打ち上げして、翌朝もベースのMIYAさんと飲んでたということですので、やっぱり向井秀徳どうかしてる。