今年の紅白歌合戦ですが、出場歌手をいったん発表した後も、追加発表をおじいちゃんのおしっこ並みにだらだら続けています。
- 藤井風
- 松任谷由実×荒井由実
- 加山雄三が客前での最後のパフォーマンス
- 幾田りら(YOASOBI)がmilet・Aimerと「おもかげ」
- 朝ドラの主題歌でback number
- 有吉弘行がたぶん「白い雲のように」を歌唱
- 桑田佳祐/佐野元春/世良公則/Char/野口五郎の「時代遅れのRock’n’Roll Band」
- THE LAST ROCK STARS(YOSHIKI/HYDE/SUGIZO/MIYAVI)が初パフォーマンス
- 東京スカパラダイスオーケストラ
例年より多めです。
しかも各世代・嗜好のかなり多くの層にアピールできるミュージシャンが揃っていて、さらに各層にとっては「目玉」と言っていいレベルの弾が追加されている感じがします。
最初の発表の時に「#紅白見ない」というハッシュタグが少しバズりましたが、いま改めて見返してみると翻意されている方がすごい勢いで出てきています。
まあ、そうなります。気持ちはわかります。
で、毎年やってたことを忘れていたのでやります。
今年の出場ミュージシャンは、ビルボードジャパンの年間チャートに照らすと「今年ヒットした曲」を割と正しく拾っていることがわかるのですが、ものすごくその例外が演歌。
今年も去年と全く代り映えのしないメンツなわけですが、ではこの出場歌手は「演歌の中の売上的にはどこまで正しいのか」ということを確認します。
ということで、今年発表された演歌・歌謡曲ジャンルの歌手のシングルの、今週までの累積売上ベスト10。
今年中に複数枚リリースされている方は一番売れたヤツのみ。
あと、こういうランキングはネットにはないのでざっくり各歌手の売上数を調べて並べたので、抜けはある可能性あります。
太字は今年の出場歌手。
水森かおり | 九十九里浜 | 1.9 |
市川由紀乃 | 都わすれ | 1.3 |
丘みどり | 雪陽炎 | 1.2 |
坂本冬美 | 酔中花 | 0.7 |
天童よしみ | あなたに咲いた花だから | 0.6 |
岩本公水 | 憂愁海峡 | 0.5 |
島津亜矢 | 花として 人として | 0.5 |
川野夏美 | 空席 | 0.5 |
美貴じゅん子 | 雪の海 | 0.4 |
葵かを里 | 諏訪の御神渡り | 0.4 |
石川さゆり | 残雪 | 0.09 |
純烈 | 君を奪い去りたい | 7.2 |
山内惠介 | 誰に愛されても | 5.4 |
氷川きよし | 群青の弦 | 5.0 |
真田ナオキ | 渋谷で…どう? | 2.4 |
辰巳ゆうと | 雪月花 | 2.2 |
福田こうへい | ふるさと山河 | 2.0 |
竹島宏 | 一枚の切符 | 1.9 |
三山ひろし | 花恋歌 | 1.6 |
平松賢人 | 灼熱ロマンス | 1.1 |
東京力車 | Sole! ~おまんた囃子~ | 1.0 |
以上。
男性は全員ベスト10には入っていました。女性は石川さゆりさんが外れていますが、もう例の通り今年の曲を歌うことはありませんので、まあこれでいいということでしょう。
数年前まではその年によって入れ替わりで出場できる枠があったのですが、今はもうありません。
丘みどりさんなんかはその入れ替わり出場枠末期にすべり込みで入った口ですね。
そして売り上げの実数値を見ればわかるように、氷川きよしも水森かおりも一時期は10万枚以上売っていたのが、今やここまで売上が細っております。
昔は、固定化された紅白出場歌手以上にCDを売り上げる歌手がいて、「これはちょっとかわいそうかな」とか思うことも結構な頻度であったのですが、今のこの状況、もう新しい演歌歌手がヒットする以前に「知られる」ことが相当にしんどくなっているものと思われます。
まあ、もはや老人ですら演歌聴かないというか、例えば今の70歳は1952年生まれですから、物心ついた時にはロカビリーがあり、思春期はGSブームど真ん中、20代の頃にはフォークからニューミュージックまで聴けた世代ですので、1970-80年代ですら大きなマジョリティとまでは言えなかった演歌に今になって入っていくはずもないわけで。
氷川きよしが今年を最後に外れることが確定しているわけですが、来年その枠が維持されるのかどうかが今のところの最大の関心ごとです。
純粋に売り上げでいくなら真田ナオキ、枠を長良プロダクションで引き継ぐならば辰巳ゆうと。日本コロムビアで引き継ぐならベスト10内にはいませんが、13位に彩青(りゅうせい)という方がいます。
正味、枠が削られて終了だと思いますが、想像するくらいはいいじゃないか。