ここんとこ、DA PUMPが17年ぶりのニューアルバムとか、T-BOLANは28年ぶりとか、MC5は51年ぶりのアルバムを予定しているとか、割とエゲツないタイムラインのリリース情報が入ってきております。
ABBAの「40年ぶり」の時もちょっと思ったことなので、少し調べてみました。
ずっと活動継続しているバンドには、1976年のデビューから45年で今までに出したオリジナル・アルバムが6枚というBostonとか、1981年のデビューから40年でオリジナル・アルバム4枚のThe Blue Nileみたいなモンスターもいるのですが、今回はさすがにだいたい解散していたのが再結成とか、一旦業界から離れていた人が戻ってきたみたいなパターンです。
以下、抜け漏れはあると思いますが、洋邦それぞれで同一名義で20年以上のブランクを開けてアルバムをリリースした事例。
<洋楽>
MC5:51年ぶり(2022予定)
The Sonics:48年ぶり「This Is The Sonics」(2015)
ABBA:40年ぶり「Voyage」(2021)
The Specials:37年ぶり「Encore」(2019)
The Boomtown Rats:36年ぶり「Citizens of Boomtown」(2020)
The Pop Group:35年ぶり「Citizen Zombie」(2014)
Vandenberg:35年ぶり「2020」(2020)
ALCATRAZZ:34年ぶり「Born Innocent」(2020)
Funkadelic:33年ぶり「First Ya Gotta Shake the Gate」(2014)
The Long Ryders:32年ぶり「Psychedelic Country Soul」(2019)
New York Dolls:32年ぶり「One Day It Will Please Us to Remember Even This」(2006)
Giorgio Moroder:30年ぶり「Deja Vu」(2015)
Sonic Boom:30年ぶり「All Things Being Equal」(2020)
The Dream Syndicate:29年ぶり「How Did I Find Myself Here?」(2017)
The Eagles:28年ぶり「Long Road Out Of Eden」(2007)
Cabaret Voltaire:26年ぶり「Shadow Of Fear」(2020)
Chic:26年ぶり「It's About Time」(2018)
Stray Cats:25年ぶり「40」(2019)
The Boo Radleys:24年ぶり「Keep On With Falling」(2022)
The Who:24年ぶり「Endless Wire」(2006)
Steve Perry:24年ぶり「Traces」(2018)
Pixies:23年ぶり「Indie Cindy」(2014)
Diana Ross:22年ぶり「Thank You」(2021)
My Bloody Valentine:22年ぶり「m b v」(2013)
Slowdive:22年ぶり「Slowdive」(2021)
Stabbing Westward:21年ぶり「Chasing Ghosts」(2022)
Devo:20年ぶり「Something For Everybody」(2010)
The Feelies:20年ぶり「Here Before」(2014)
Pink Floyd:20年ぶり「The Endless River」(2014)
<邦楽>
梶芽衣子:43年ぶり「追憶」(2018)
山口美央子:35年ぶり「トキサカシマ」(2018)
ジューシィ・フルーツ:34年ぶり「BITTERSWEET」(2018)
GASTUNK:33年ぶり「VINTAGE SPIRIT, THE FACT」(2021)
The Good-Bye:30年ぶり「Special ThanX」(2019)
T-BOLAN:28年ぶり「愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~」(2022)
あらきなおみ:26年ぶり「1964」(2021)
アリス:26年ぶり「ALICE XI」(2013)
有頂天:26年ぶり「カフカズ・ロック/ニーチェズ・ポップ」(2016)
CINEMA:26年ぶり「CINEMA RETURNS」(2007)
中川五郎:26年ぶり「ぼくが死んでこの世を去る日」(2004)
子供ばんど:25年ぶり「Can Drive 55」(2013)
センチメンタル・シティ・ロマンス:25年ぶり「やっとかめ」(2011)
森下玲可:25年ぶり「Jikuu~時空~」(2021)
サイバーニュウニュウ:25年ぶり「CYBER NEW NEW」(2016)
森口博子:24年ぶり「蒼い生命」(2021)
To Be Continued:22年ぶり「Paradise in life」(2021)
グランドファーザーズ:21年ぶり「GRANDFATHERS」(2012)
WANDS:21年ぶり「BURN THE SECRET」(2020)
亜無亜危異:20年ぶり「パンク修理」(2020)
DEAD END:20年ぶり「METAMORPHOSIS」(2009)
YEN TOWN BAND:20年ぶり「diverse journey」(2016)
そもそも何をもって「アルバム」とするのか、というところから迷うわけですが。
Pixiesや有頂天はフルアルバムに至る前にEPやミニアルバム出してますし、他にもセルフカバー盤や過去音源の発掘盤のリリース等ある人もいますが、ここは「新録・オリジナル・フル・アルバム」という形で。
Eaglesの復活アルバム「Hell Freezes Over」なんかは馬鹿みたいに売れましたが、あれは新曲は4曲のみでそれ以外はライブ音源なのでその次に出たオリジナル・アルバムでカウント。
それでも、Chicの2018年の盤は正確には「Chic」名義ではなく「Nile Rodgers & Chic」名義だったり、Sonic Boomは個人の「Sonic Boom」名義では30年ぶりですが、「Spectrum」「E.A.R.」の名義ではその間に唸るほどリリースしていたり、微妙にそれぞれ事情が異なっていることには敢えて目をつぶる。
英米の方がやや多いのは、単に邦楽の方が情報的にマイナーなところまで拾えるからだとは思いつつも、それでも「大衆音楽」とか「レコード産業」が社会的に成立するのが日本の方が少し遅かったからという理由もあるのかなとか、日本の方に女性ソロが多いのは、日本と欧米の女性の社会的なところの差の部分もあったりするのかもしれないと思ったりとか。
ただ、上記は原則、前のアルバムとニューアルバムが「同一名義」であることを条件としていますが、キャンディーズ時代の1978年「早春譜」から41年の時を経て、2019年に1stソロアルバムをリリースした伊藤蘭さんとかもいますので、違ったルールで拾ってみるとまた変わってくるかもしれません。
あとは、出る出る言うたまんまいよいよ四半世紀越えのゾーンに入ってきたX JAPANがどこまで記録を伸ばすのか。伸ばさなくていい。