山野楽器本店が路面フロアをKDDIに貸すこと

何となく周りも徐々に不穏な感じになってまいりました。みんなで生きましょう。

で、街を歩く方々が減った分、当然リアル店舗への集客も減るわけで、CD/DVD店はただでさえキツいのに、まさに弱り目に祟り目状態。
そんな中、銀座山野楽器がこんな発表。

山野楽器 銀座本店 下層階をKDDIへ賃貸

昨夏、それまでB1階から2階までを占めていたCD/DVD販売を4階の1フロアに押し込んだのですが、その分楽器や楽譜等の「コト消費」関連を下層階に降ろすのだろうなあと思ったもののその後何もニュースがなく、どうしたことかと思っていた矢先のこれ。降ろさなかった。外部に貸した。

これってけっこう悲しいことで。
三越新宿店がいろいろあった結果、現在は「ビックロ」になっているわけですが、これは百貨店という業態で商売するよりも、もうそのフロア全部を他社に丸ごと貸して定期的なテナント料をいただいた方がビジネスとしてマシであるという、ビジネスを転がす企業としてはものすごく「攻めてない」方針なわけで、「止む無く」選択するものです。

山野楽器も全8フロアのうち3フロアとはいえ、そういう選択をせざるを得なかった。CD/DVDを売るよりは他社に床を貸して定期的なアガりを得る方が確実でマシであるという判断。
銀座の一等地ですからそういう選択もあるのでしょうが、これってけっこうパッケージ販売にとっては決定的な敗北の象徴でもあると思うのです。まあ、今の世の中勝てるはずないんですけど。

ということで、全国の「街のレコード屋」は当然商店街等の路面にあるのですが、1990年代以降こっち、そうではないチェーン系のCD/DVD店は主にショッピングモールのテナントとして入っているため、路面店はほとんどありません。
山野楽器の本店がこうなったことで、全国、地方含めてチェーンで店舗展開しているCD/DVD販売ショップで「路面店」と呼べるのは、新星堂の路面店が全滅し、函館五稜郭の玉光堂が消えた今、郊外ロードサイド型の数店舗を除けば、渋谷のタワーレコードとHMV Record Shopくらいになってしまいました。

それでもショップは生きようとしています。
タワーレコードはこの期末、これまでは1万円以上購入とか条件があった「ポイント15%還元」を金額条件なしで開催します。これは期末だからだけじゃない感じがします。

そして今年度の決算次第では、来期ものすごい撤収が始まります。というか、そういう未来しか見えません。そう思う理由は、かく言う自分のCD購入量が明らかに減っているからです。
もう、どうしてもそうなっちゃうんです。ごめんなさいごめんなさい。