宇崎竜童@東京国際フォーラムホールCのライブのこと

昨晩は「観られる時に観ておけ」シリーズ、宇崎竜童@東京国際フォーラムホールC。

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御年73歳ということですが、とりあえず彼が素晴らしい音楽家であることがいまいち世間に認知されていないと思うので言っておくと、一過性のブームで終わってしまったGSの後、「バンド」が人気を得た最初の事例がキャロルになりますが、その後塵を拝した彼は「つなぎ」と「コミック度の高い曲」によって差別化を図り世に出ていくわけです。
その「戦略性」もすごいですが、その後妻である阿木燿子と組んで山口百恵後期のメインライターとなり、その高い音楽性を如何なく発揮するわけです。当時、明確に「アイドル」というカテゴリができあがって数年、そして「バンド」もまだメジャーには数えるほどしか在籍していなかった時期、彼は今や当たり前になっている「現役バンドマンによるアイドルへの楽曲提供」のパイオニアでもあります。すごい人なんです。そこはきちんと伝えたい。

で、昨日のライブ。新譜メインではありましたが、そこかしこにダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「マジ期」や竜童組時代の楽曲を放り込んでくる流れ。まだまだ歌えるし弾ける。つうかギターすげえうまい。
「コミック期」と山口百恵提供楽曲はどれくらい突っ込んでくるかと思っていたら、「天晴れブギ・メドレー」の形で途中に「ロックンロール・ウィドウ」と「スモーキン」「カッコマン」「ドライヴィン」の3大ブギを1コーラスずつ回す形。
大変楽しかったのですが、観ていて何が楽しかったって一番は阿木燿子さん。

「阿木燿子プロデュース」と銘打っているので何か特別なことがあるかと思っていたのですが、ステージの後半に曲の枕になる作文を朗読しまして、これがそれかと思っていたらその後また呼び込まれ、しかしそれ以降は時々コーラスはするものの、だいたい扇子をヒラヒラさせながら踊っていて、時々夫婦でキャッキャ感のあるトークをするだけ。でもそれ見ているだけで何か嬉しくなる。阿木さん可愛い。
というかこの夫婦はどんだけ仲良しなんだろうか。夫婦で常に物作りしているせいでしょうか。
で、あとから調べたら阿木燿子ダンスは過去にも結構やっているみたいで、じゃあ「阿木燿子プロデュース」と銘打ってるのってやっぱり何だったんだ。

「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」の時はそこだけきちんとサングラスをかけている律義さも最高だし、本当に真面目に音楽やってきた人なんだなあとつくづく。

一緒に行った友人から幕前に「39年前の10月5日は、山口百恵が武道館でマイクを置いた日」という情報を放り込まれ、それならもしかして何かスペシャルなことが、と思いましたが通常運転でした。多分気が付いていなかったんだと思います。

あと、一点追記しておくと、もう当然のように我々は会場中でも「最も若い」組に入りそうな年齢構成だったのですが、でも今回の観客の皆様の、過去のベテランミュージシャンのコンサートと比較して、明らかに「元美少年美少女」率が高かったということは言っておきたいです。比較的まだまだお洒落な方がたくさんいて、お茶くらいお誘いしたいような女性の方も多く。
多分昔はやんちゃだった方もそれなりにいらっしゃるのでしょう。要するに当時フォークだった方とは明らかに(以下略