欅坂46の「黒い羊」のMVが編集なしのワンカメでエライことになっているのですが、公式サイトの動画のページを見てみるとこれまでのMVと今回の微妙な差異があります。過去のMVは全てYouTubeのフォーマット上で公開されているのですが、「黒い羊」は少なくとも今のところYouTubeにはアップされておらず、公式サイトに埋め込みの形でのみ公開。
それについて友人とちょっとグループチャットで話をしていました。これは多分YouTube Premiumのせいだなということで。
昨年11月にサービスインしたYouTube MusicとYouTube Premiumですが、他のサブスクサービスと大きく異なる点があります。その取扱い範囲に既存YouTubeの資産が含まれていること。
YouTube Musicの無料版をDLしてみたのですが、ミュージシャンの名前で検索すると、サブスクで利用可能な楽曲と共にYouTube上にアップされているMV、ライブ映像が画面上にラインアップされ、それも音源同様に聴くことが可能です。
データ容量を減らすための配慮でしょう、YouTube Music Premiumにすれば音声のみで再生するモードも利用可能。つうか無料版にこれ見よがしに音声モードのスイッチが付いていて、触ると「Music Premiumにすれば使えます!」みたいなメッセージが出てくるという酷いがビジネスとしては正しい仕様。
そして、YouTube Premiumで可能になるのがオフライン再生。他のサブスクサービスにもある機能ですが、「取扱い範囲に既存YouTubeの資産が含まれている」ことで他のサービスと圧倒的に差別化されることになります。
サブスクどころか配信も行っていない音源でも、シングル曲等でフルVer.がYouTube上で公開されていれば、実質上月額定額でダウンロードできる、他のサブスクサービスの提供楽曲と同様に扱える、ということになります。
これらのサービスはアメリカでは昨年5月から提供されていたものですが、日本では半年遅れたのは恐らくレーベル等ステークホルダーとのいろいろがあったからと思うのですが、他のサブスクほどの時間的な間は空かずに出てきました。
言うても動画再生についてはYouTubeが圧倒的なプラットフォーマーですから、「気に入らんなら、うち使わんかったらええやん」の一言でだいたいの人は黙らざるを得ません。
実際、日本ではsumikaがYouTube Music・YouTube Premiumリリース直後、「音声として聴かれるにあたってどうなのか」という観点ということで、一時的にYouTube上のMVを全て非公開にしていましたが、結局1月中旬にそのまま公開再開しています。
sumikaは、配信・サブスクについては「一部のみ」解禁という微妙なところでありまして、実際のところどういう意図でどういう判断をしたのかはわかりませんが、結果としては完全にYouTubeの意に沿った形に。
対して欅坂46は、既に「アンビバレント」まではサブスクまでは解禁されていますが、新曲はそういう状態。
考えてみれば「黒い羊」のリリース日は2/27で、MVはそれに先駆けての公開。でもそのMVの音源データが自由にダウンロードできてオフラインで取り回せるのであればそれは既にリリースしたのと同じということになってしまいます。
YouTubeにアップしないのは、それはちょっといくら何でもないやろ、ということだと思います。
実際本当にそういう意図なのかは、リリース日の段階でMVがYouTubeにアップされるかどうかでわかりますので待ちましょう。
ただ、本当にそういうことなので、欅坂46以外にもリリース日前にはYouTubeにはアップしない人がいそうな気がします。
しかしGoogleは既にサブスクサービス持ってるのに何でまたこれ出してきたんかというところですが、圧倒的なプラットフォーマーであるところをバックにして相当黒い意志というか、その他ステークホルダーを黙らせられると考えた結果ではないのか、というところも容易に想像できてしまって本当にあいつらズルい。