ネクライトーキー「ONE!」のこと

ネクライトーキー / ONE! (Album)

今年5月下旬、下北沢で開催されるサーキットイベント、サウンドクルージングを前にして、出演者リストを眺めながら知らないバンドのYouTubeを適当に検索して見ていたら「オシャレ大作戦」のMVにぶち当たり、そのままその時間はこのバンドの他のMVを全部見る大会に変更、サウクルでも彼らを観ることがファーストプライオリティとなり、当初の予定もろもろ変更。
そのライブでも思っていた以上に屈強かつ奔放なライブバンドっぷりを見せつけられ、いきなり自分内ネクストブレイクランキング初登場1位に君臨したまま半年、遂に初の全国流通盤にして1stフルアルバムなわけですが、こいつら想定以上に化け物だった。

とにかくポップネス、時折ギラギラするエッジ感、収まり切らないトゥーマッチ感、そしてどこまでも愛嬌。自分がバンドに求めたい要素が全部100%以上にぶち込まれた音が頭から終わりまで鳴り続ける至福。
アルバム以前の楽曲群では、好みはあれども「オシャレ大作戦」のファーストインパクトは凄まじく、その時以来「この曲レベルの楽曲をもう何曲かでも生み出せることができるかどうかがこのバンドのハードルだな」とか思っていたら、蓋を開けたら何てことない、新曲のほとんどがそれレベル。化け物やないか。

作詞作曲は2曲を除いてリードギタリストの朝日くん。1曲は朝日くんの曲をフロントのもっさちゃんが改作したもの。もっさちゃん単独でも1曲だけ書いていますが、自作曲よりも圧倒的に朝日くんの曲の方がもっさちゃんの声質に寄り添っているのが面白い。
インタビュー読んでみたら、このコンポーザーとシンガーの相思相愛っぷりが愛おしく、だからこそこういうバンドマジックが生まれているのだなと納得もしたり。
で、もっさちゃん単独作詞作曲の1曲はその曲だけ恐ろしく普通にJ-POP。でもそれはそれでアルバム内ではサザンオールスターズのアルバムの原坊歌唱曲的な佇まい。

ここまで隙のないファーストアルバムってなかなかないんだけど、でも「出来上がった」感は一切なく、これからどんな無茶なことになるのかひたすら楽しみで、とりあえず既にバンド名が地道にバズり始めていますし、このクラスの作品を作れるのであれば正味あとは「見つかる」だけなので、数年の後、「俺下北沢のキャパ250の箱でライブ観たぜ」と同僚に自慢できるくらいに。