松田聖子@日本武道館のこと

明日あさってサマーソニックなんで、書くタイミング逸しそうなので今日のうちにサクッと。
本日は、松田聖子@日本武道館に行ってまいりました。生で観るの初めてです。

この後もツアーは続くので内容構成詳細は避けますが、およそ完璧な「アイドル・ショー」でした。と言うと普通っぽいのですが、御年56歳があそこまで「可愛い・楽しい」を会場中に余すところなくふりまけるのかと言えば、正味常人の成せる技じゃない。

考えてみればですよ、彼女以前にアイドルと呼ばれた女性がその後どうなったかと言えば、ブクブクに太って「あの人は今」企画で晒されたり、写真家と結婚していなくなったり、20歳できっぱりと引退したり、宗教団体にハマったりしていて、そして彼女以降に出てきた人も、幸せな家庭を築いたり、サブカルの象徴として君臨した後女優業で安定した人もいますが、元ジャニーズの嫁として時々テレビに出るだけとか、再婚して合計7人の子供を持つに至るとかなんですよ。
そんな中、松田聖子だけは、ブレることなく40年近くステージに立ち続け、武道館レベルを軽く埋めるレベルでデビューした頃から地続きの歌手活動を続けている。彼女の前に道はなく、彼女の後にも道はない。今の彼女はそれほどに唯一無二なのだということが嫌というほどわかるのです。

本当に、今の若いアイドルたち呼んでこれを見せたうえで「お前はこうなれるだけの意志と覚悟はあるのか」と問い詰めたい。多分半分くらいは泣く。いやまあ昭和のアイドルと平成のアイドルは、70-80年代のテクノと90年代以降のテクノと同じくらい違うジャンルだっていうのはわかってるんですけど。

で、アルバムツアーなので当然アルバムの曲はやりますが、それも素晴らしくハッピーで、かつその後は「知らない曲が1曲もない、何となれば全部空で歌える」曲が怒涛のように連なる。彼女曰く「自分の家のように歌ってください」ということで全力シンガロング公式解禁。もう会場中が楽しい。
さらにビビるのは彼女のMC。何だこのおもしろおばお姉さんは。爆笑につぐ爆笑の嵐。武道館だというのに会場からの呼びかけに頻繁に応え、即興でウィットの効いた返答をすいすいと返していく。さすが39年間ステージをこなし続けてきた、というだけではないような天性。この人は本当にこうなるべくして生まれてきたんだ。

ということで、神田沙也加が速攻でソロ歌手を諦め、バンド的な方向や声優の方に向かった理由がよくわかりました。実の親があんなモンスターで、同じ方向など行けるわけがないですよ。

あと、日本3大「コンサートでの振りもの物販」は、上地雄輔のひまわりと、レキシの稲穂と、松田聖子の赤いスイートピー、ということでよろしいでしょうか。異論、受け付けます。