TSUTAYAがバタバタと店を閉じていく中、現在は比較的安定しているように見えるのがゲオ。
もちろんゲオの方が経営絶好調というわけではなく、TSUTAYAが割と大型店舗への集約やらBtoB方面の強化やら、ある意味この先の狙いを明確にしてそっちに進みつつあるが故の閉店であるとすれば、ゲオの方はもう総合リサイクルショップ・セカンドストリートへの転身くらいしか選択肢がなく、動かないというよりは動けない状態である可能性もあるわけで。
それでも、TSUTAYAとゲオは時に激しくぶつかり、チキンレースのような値下げ争いをし、結果その2チェーン以外のレンタル屋がほぼ絶滅するという、何かの神話の登場人物みたいな状況にもなっていますが、ゲオが死んだ跡地にTSUTAYAが入ってオープンしたり、その逆だったり、その町の住民にとってはいい迷惑な交代劇が起こったりもしてます。
最近の事例で味わい深かったのが、大阪市住吉区長居。元々長居駅のそばにTSUTAYAが店を構えていたのですが、2016年1月に閉店。そこにすかさず目を付けたゲオ、4月には跡地にすっぽり収まる形でオープンしたのですが1年後、その隣のビルのJOYSOUNDが撤退した跡地に2017年4月TSUTAYAがでっかくなってオープン。
これ、TSUTAYAの最初の閉店は、困窮したわけではなく、テナント契約上一時撤退の方が喜ばしい計算になったためであり、それを知らぬはゲオばかりかな状態だった可能性もあります。それからさらに1年、まだゲオは生きていますが。
そしてこの春起きたのが足立区西新井の奇跡。
東武伊勢崎線は西新井駅。東口にゲオ、西口にTSUTAYAという典型的殴り合い地域だったのですが、こういうご時世の中で先に音を上げたのはゲオ。今年の1月21日に閉店と相成りました。これでTSUTAYAは安泰と思いきや立て続けに2月28日に閉店。TSUTAYAの方はこちらも窮しての閉店と言うよりは例の通り駅前「ケ」型ビジネスからの撤退の一環ではないかとも思うのですが、ゲオはこの撤退完全に寝耳に水。
結果どうなったかというと、1月21日に閉店して完全撤退したはずのその場所で、3月31日再オープン突如決定。「だったらまだいけるやんけ」感丸出しで。
ゲオは毎月終わり頃に、翌月オープンする店舗一覧をプレスリリースで出すのですが、それにすら掲載されない大慌てっぷり、バイトの求人には「リニューアルOPEN」とか書いてあるけど嘘です。閉店時、近隣の店舗の案内までして完全撤退する気満々でした。まあ結果としてだいたいそんな感じになったのでオーライです。
それでも西新井民にとっては喜ばしいことかとは思います。というか、こうやって書いてみるとゲオは全体的にTSUTAYAに振り回されている感じで、擬人化したらきっと可愛い。