CD店の閉店もろもろのこと

米小売チェーンのベストバイ、6月中にCD販売からの撤退報道 他チェーンも追従か

そろそろ我々もこういう事態を覚悟しなければいけないのかもしれません。全米のベストバイは検索した限り約1300店舗。全店でCDの取り扱いをしているわけではありませんが、ただでさえCD/DVDの専売のチェーンが消滅したアメリカでは、このCD販売店の減は相当なインパクトのはずです。
それでももう向こうは相当数がサブスク型に移行していますので、数のインパクトはあっても消費者に対するインパクトは屁みたいなもんでしょうけど。

翻って日本。全国で新譜CD販売をしているのはいろいろ全部合わせて恐らく3000店舗以上4000店舗未満くらい。
タワーレコード・HMV等大小のCD/DVDチェーン店が全国で約350店程度。CD販売を扱うTSUTAYAが約800、ゲオも800弱。CDも扱う総合書店。家電量販店。
それらの大きめのどこかが「もうCDやめまーす」と言った時点で100とか減る可能性。TSUTAYAかGEOが社の方針として今回のベストバイのように一括でCD販売をやめれば、それだけで全国の約1/4が吹き飛ぶ計算。そして延々言っている通り、3月以降唯一の大手卸となるハピネットがCD/DVDの取り扱いをやめると、全国の中小以下の店舗はおよそ行き場を失います。

星光堂の撤退によると思われる閉店、最初聞いた時に想像したよりは今のところは軽微ですが、たとえば埼玉県所沢市、西所沢駅近くのこちらのお店。

1/31に閉店されましたが、1月中旬になって急に、まだその際には閉店とは謳わず「当店始まって以来の大セール」と銘打って割引販売を始め、結局その月末で店ごと終了ということですので、やはり何かかかわりがあるのではと考えざるを得ません。
その他、具体的にはまだ確認できていませんが、何店か閉店したとの風の噂もあったりして、正直ヒヤヒヤします。

そしてTSUTAYAはこの2月、ジェノサイド状態再び。

2018/02/18 TSUTAYA 新琴似店
2018/02/18 HIRASEI遊TSUTAYA 亀田店
2018/02/20 TSUTAYA 松原店
2018/02/24 TSUTAYA ビッグボックス東大和市駅前店
2018/02/25 TSUTAYA 浜館店
2018/02/28 TSUTAYA 厚別ひばりが丘店
2018/02/28 TSUTAYA 西新井店
2018/02/28 TSUTAYA 六本木店
2018/02/28 TSUTAYA 恵比寿ガーデンプレイス店
2018/02/28 TSUTAYA 三崎店
2018/02/28 TSUTAYA 北花田店
2018/02/28 TSUTAYA 西神中央駅前店
2018/02/28 TSUTAYA アップルクラブ平生店

月次閉店数では8-10月を越えて今年度最高値。上記はこれまでに拾えたものだけですので、月末までにまだ増える可能性もあります。
今回目を引くのは六本木と恵比寿の超都市型の2店舗。六本木の場合は近くの欅坂に大変にお洒落なTSUTAYA TOKYO ROPPONGIがあるので、こっちはもうお役御免的な感じもするのですが、恵比寿ガーデンプレイス店はちょっと驚きです。都市型旗艦店として、ここでの実験がその後「蔦屋書店」ブランドのコンセプトになったとも言われる店ですが、オープンから24年を経て遂に。
「その蔦屋書店に本格的にリニューアルするだけちゃうん」との憶測もありますし、私もその線を支持したい組ですが、果たして。

私がCD店舗の開店閉店の観察を始めたのは2011年頃。正味の話「看取る」気満々だったのですが、途中で一度「けっこうしぶといやん」と思ったこともありました。しかしここ数か月のいろいろで本当にもうすぐ終わるのだなあという気持ちがようやくひしひしとしてまいりました。
正味、ミスチルもB'zあたりも既に軸足はライブと物販に移し、AKB系やジャニーズも枚数や順位は気にしますが、もはやCDの売り上げのみに依存したビジネスモデルではありません。依存が残っているのは、そこそこ知名度はあってもライブの大きな動員が見込めない中堅あたりと、地下アイドルのごく一部くらいでしょうか。
したがいまして「CDが世の中に存在する必然性」も、もうすぐなくなります。残っているのは「物として持っておきたい」という熱心なファンの気持ちと、我々おっさんのノスタルジーだけです。それでどこまで支えられるのか。自信がない。