星光堂がCD卸業から撤退すること

メールで教えていただいた件。CD小売店に激震。が走るかもしれません。
特に大手以下の中小チェーンおよび個人経営のお店に。

大手チェーンであればその企業体が直接各レーベルとお付き合いする形でビジネスを回すこともできるのであまり問題ないのですが、小規模や個人経営の店舗の場合、その人員でそこまで取り回すことは正直困難でありまして、それをサポートするのが「卸」という業態ということになるわけです。

が、どんどんCD/DVDの売り上げが減っていく現状では、中小や個人経営のCD店は相当厳しい環境で閉店も留まることを知りません。ということはつまり卸を担当する企業も大変に厳しい。
そんな中、こんな話が。

当社子会社の会社分割(吸収分割)による音楽・映像商材の卸売事業の承継に関するお知らせ(PDF)

簡単に言えば、CD卸売2大企業のうち片方の星光堂がその卸売事業を手放し、その事業・顧客を2大企業のもう片方であるハピネットに子会社化の形で引き取ってもらうという話です。

この状況、ただ「移管しましたよこれからもよろしくね」で済めば全く問題ないのですが、赤字部門を引き受けるわけですし、ハピネットも馬鹿みたいに儲かっているわけではないでしょうから、各小売店とのこれまでの条件そのまま引き継いで仲良くお付き合い、ということには正直なりにくい。
かつこれによって大手レーベルの商品を正規で扱う卸業は正味ハピネットだけになりましたので言わば独占状態です。今の商売を続けるためには言うことを聞かなくてはいけません。
が、どういう状況になったとしても小売店側も無い袖は振れるはずがない。
そんな感じでありまして、大変に嫌な状況が生じてしまったわけです。

もちろん小売店の数が減れば卸だってその分厳しくなりますので、ハピネットも小売店ジェノサイド状態にはならないよう取り回すとは思うのですが、それでもビジネスである以上、これまでの赤字を解消するべく動くことは確定路線。
これまでよりも取引条件が厳しくなることについては想像に難くなく、とすれば、特に経営の厳しいお店などではある程度の数のドロップアウトは避けられないのではないのではないでしょうか。

店の単純な売り上げ額や店の方のやる気ではなく、こういう背景でもって小売店の数が削られるのであれば、大変に悲しいことなんですけど、世の中の仕組み的に止むを得なくて、何ともやるせない。