昨年の中島みゆき・吉田拓郎の「とりあえず重鎮観ておけ」流れは今年も継続。
5/7(日)は萩原健一@ビルボードライブ東京、5/11(木)は井上陽水@人見記念講堂。
ショーケン。かっこいい。もうそれ以外ない。
あの素っ頓狂な歌い方、彼がテンプターズ時代に真面目に歌ってスターになって以降にそういう歌い方にしたため誰も何も言えないまま今に至るわけですが、もし素人時代にそういう歌い方してデビューしようとしたら絶対怒られて矯正されていたであろうそれが、もう彼の唯一無二として素晴らしくかっこいい。
時折ギターをかついで弾くのですが、ポージングがもう完全にキース・リチャーズ。そしてコードすらまともに押さえずにガキッ、ギャーンみたいな、Ambitious Lovers期のアート・リンゼイみたいな音を出す。もう一度言います。キース・リチャーズのようなポーズを決めながらアート・リンゼイみたいな音を出すのです。
かっこよくないはずがないでしょう。ていうか、かっこいい以外何もないレベル。結局テンプターズ時代の「神様お願い」もその素っ頓狂Ver.でやるのですが、そりゃあんたそっちの方がいいに決まっているじゃないか。
ビルボードライブなので正味1時間強のライブでしたが、面影ラッキーホールもカバーしている大好きな「54日間、待ちぼうけ」も音源よりもキレキレのVer.でやったし大満足。
何やかんや言いつつ実はビルボードライブ東京初めてで、ライブの行われているフロアではなく上の方の所謂「カジュアルシート」だったのですが、そこでもお酒飲んで軽食頼んでチケット代以外で2,000円程度は落とすわけで、下のフロアではもっと本格的な料理等も出るので、一人当たりの単価考えるとこれ結構いい商売ですよ。
さすが伊達に六本木・東京ミッドタウンに入居していません。
でもこれからのスケジュール見ていると「空気公団 with 曾我部恵一」とかあったりして、相変わらずここのブッキング担当の仕事はよくわかりません。
陽水。もうすごい。
すごい勢いで名曲の数々を垂れ流し、しかも「リバーサイド・ホテル」とか「Just Fit」とか「アジアの純真」とか「氷の世界」とか、もう全くもって音源とは違うアレンジでぶっこんできていちいち痺れる。
ここ数年の彼は、ブラタモリ関連楽曲や宇多田ヒカルのカバーで顕著なようにラテン系のアレンジに傾倒しているようで、「アジアの純真」と「氷の世界」のアレンジにもそういうテイストが入っているのですが、もう全くもって明るく聴こえず「ヘビー・サルサ」みたいな他の何とも比較しようがない世界に突入。このおっさん頭おかしい。
で、ほかにもいっぱい名曲聴いて大満足で三茶の小汚い居酒屋で一緒に観ていたおっさん3人と感想を言い合い、「あの曲も聴きたかったね」トークに突入したところ、あんなにみんな知ってる曲ばっかり聴いたつもりでいたのに「少年時代」も「Make-Up Shadow」も「傘がない」も「帰れない二人」も「飾りじゃないのよ涙は」も「いっそセレナーデ」もやってないということに気づく。
私が個人的に聴きたかった「背中まで45分」も「闇夜の国から」も「愛されてばかりいると」もやらずじまいであり、それでも圧倒的な満足感。なんだこれは。この人は何枚切り札を持っているのだ。化け物じゃないか。
歌も抜群にうまく、トークも冴え渡り、非の付けどころ皆無の2時間。
ということで、長くこの世界で生きている方はやっぱりそれなりの凄みがあるからなのだなあと、強く強く思った次第。
この流れでは9月にユーミン行くよ。