アイドル楽曲のインスト・ヴァージョンのこと

楽曲派サブカル糞野郎による、「アイドル楽曲のインスト・ヴァージョン」四天王。

かつてのCDシングルは概ね「カラオケ・ヴァージョン」が収録されていたわけですが、その後カラオケがコミュニケーション・ツールの第一線から退いた頃にはCDにもそういうニーズは求められなくなりまして。
それでも時折「カラオケ」ではなく「Instrumental」等の注記を付けてオフ・ヴォーカルのヴァージョンが収録されているCDもございます。この時代それはつまり「歌ってね」ではなく「これはこれで聴いてほしい」という意図でもって収録されていると解釈するしかないわけで。
そういう意図に沿って聴いてみると、確かにこれはこれでいい、むしろこっちの方がいいと思えるような「Instrumental」もあるわけでございます。そういうことで特に感銘を受けた「Instrumental」をピックアップしてみます。
さすがにYouTubeにインストまでは落ちていませんので、それは元曲。気になったらCD買ってね。


プラニメ / Plastic 2 Mercy
そもそもがEDM的構成の曲なので一番アガる部分はインストになるわけですが、そのアゲに至るプロセスがそこまでも全部インストだと細かいところまでわかるのです。かつサビに至るところに80年代の言ってみればPet Shop Boysが多用していたようなフレージングであるとか、薄らと90'sハウスの匂いがしてきたりとか、相当ダンスミュージックとして練られていることがわかってすごくグッとくるのです。


ももいろクローバーZ / 労働讃歌
The Go! TeamのIan Partonの作曲・編曲なのですが、インスト聴いてるとただただThe Go! Teamの曲にしか聴こえない。特にサビメロ部分、歌が入っていると認識にしにくいのですが、ここのブラスのかっこよさがハンパないのです。日本のよくわからないオファーに対してよくぞここまで本気出してくれたと、ひたすら感謝するばかりです。


sora tob sakana / 魔法の言葉
残響レーベル所属のバンド、ハイスイノナサの照井氏によるトラック。これ2ndシングルの表題曲なのですが、1stシングルにはインストは収録されていなくて2ndにはじめて表題曲のインストのみ収録されているという形であり、「これはこれで聴いてほしい」の極みではないかと思うのですが、これが本当に素晴らしい。むしろこのインストが先にあって詞とメロを付けてアイドルちゃんに提供したのではないかというレベル。


Perfume / レーザービーム
Perfumeのシングルには毎度インストが必ず収録されているのですが、特に挙げるとすればこれ。何か別の意図を持っているのではないかという感じに聴こえてきます。というか、このトラックは電気グルーヴもカバーしたテクノミュージックのクラシックであるGershon Kingsleyの「Popcorn」へのオマージュにしか聴こえないのですよ。中田ヤスタカだったらやりかねない。本当に。


明日から四国行ってきます。これで何らかの形で47都道府県のレコ屋を回ることになります。行ってきます。