小田原アプリ、8月末に閉館へ

小田原市といえば、さして商圏大きくないのに郊外のショッピングモールがどどんとオープンして以降駅前繁華街の沈下激しく、一時は「日本一寂れた駅前地下街」を擁していたのですが、地下街先日リニューアルオープンして今のところはきちんと営業中、それでも駅から多少離れた繁華街にまでは好影響届かず、2棟並んだ商業ビルのうち、西友小田原EPOはこの3月で閉館し、そして隣の小田原アプリも閉店決定。

何が問題かというとこの小田原アプリ、タワーレコードがキーテナントに近い位置付けで入居しておりまして、当然この閉館によって撤収を余儀なくされるわけで。
ここんところのタワーレコード、郊外型ショッピングモールの方はほとんど撤収はなく、地方都市の駅前ないし市街地の商業ビルに入っている店舗に偏って閉店しているのです。以下、過去5年の閉店店舗一覧。

2012/02:宇都宮店(宇都宮市街パルコ内)
2012/03:直方店(イオンモール内・HMVに転換)
2012/08:大和店(イオンモール内・閉店跡地にはg.u.出店)
2012/09:岡崎店(イオンモール内・HMVに転換)
2012/09:水戸内原店(イオンモール内・HMVに転換)
2012/10:高岡店(イオンモール内・HMVに転換)
2013/02:熱田店(イオンモール内・HMVに転換)
2013/02:高知店(イオンモール内・HMVに転換)
2013/06:横浜みなとみらい店(桜木町駅コレットマーレ内)
2013/07:横浜モアーズ店(横浜駅前モアーズ内・閉店跡地には東急ハンズ出店・2014/04に横浜ビブレ店開店)
2014/01:高崎店(高崎駅前ビル内・閉店跡地にはアニメイト出店)
2014/08:イオンモール宮崎店(イオンモール内・新星堂に転換)
2014/09:岡山店(岡山駅前OPA内・建物全体の閉店に伴うもの)
2015/05:旭川店(イオンモール内・BIGに転換)
2015/11:長崎店(長崎駅アミュプラザ内・閉店跡地には東急ハンズ出店)
2015/11:藤沢店(藤沢駅前OPA内・閉店跡地にはユニクロ売り場拡張)
2016/01:姫路店(姫路市フォーラス内・建物全体の閉店に伴うもの)
2016/02:Towermini/Toweranime LALAガーデンつくば店(LALAガーデン内)
2016/03:柏店(駅前ビル内)

2016/08:小田原店(小田原市街アプリ内・建物全体の閉店に伴うもの)
2016/11:千葉店(千葉市街パルコ内・建物全体の閉店に伴うもの)

2013年までは、タワーレコードセブン&アイグループにインしたことによるイオンの粛清閉店→HMVへの転換が多かったわけですが、それ以降明らかに潮目が変わっているのがわかります。

今回の小田原含め、岡山や姫路のように建物全体が老朽化等の理由で閉館することに伴う閉店もあるのですが、賃料及び人の流れ考えて、既存店未満であればそりゃ移転して再開という判断は下せません。それでこれ。
姫路の場合フォーラスの閉店が発表されるちょい前くらいに駅ビルの大規模なリニューアルがあり、本気出せばそこに入れたかもしれないのに結局完全撤退。
岡山の場合、駅直結の巨大イオンの開店前にOPAが閉館したのに伴う閉店、駅前から2kmほど離れた旧市街であればどんだけでも場所はあったはずですが、その巨大イオンが駅前にできて人の流れがより駅前の方へと偏重していく状況下、どう考えても旧市街に敢えて移るメリットは見出せない。つうか旧市街は新星堂ですら既に死んでますから。

柏や藤沢の場合は明確に都心への通勤圏であり鉄道がまだ強く駅前の人の流量も大きいはずなのですが、それでも商業的な部分では郊外のショッピングモールへの移行が加速していて、もうCDなんか昔みたいに通勤通学帰りにドラマ主題歌の短冊CDをうっかり買って帰るような「ケ」のものではなく完全に「ハレ」の購入物に戻っていますので、拠点として駅前に置いておく意義がだんだんに見出せなくなっているということもわかります。

まあ、そういうことです。言うても駅前一等地と郊外のショッピングモールとでは賃料も違いますし、一昔前とは違ってもうCD店は商業ビルのテナントとして是が非でも入ってほしい業態ではなくなり、諸々の条件で考えればハンズとかユニクロの方が勝つという比較的単純な話。悲しいことではありますがこれが現実であり、もう昔には戻れないのです。

かくして、TSUTAYAの片隅の棚2つ分くらいが新譜CD売ってる全てという街に住む私は、会社帰りの新宿のタワレコで必死になって新譜を漁るわけであります。きっと同志もたくさんいることでしょう。渋谷と新宿のタワレコはそうやって支えられているのです。たぶん。