紅白見返している時間がなかったので、まず先に2015年の10枚。
久々に洋楽5枚、邦楽5枚になったのでまずは洋楽5枚。

New Order / Music Complete
アルバムとして全体こんなにしっくりくるのは彼らでは初めての感覚。流れの通りがすごくいい。かといって保守的なわけでもなく、外部ゲストを通じて新しい試みも随所に見られて驚きもあって。
かつて彼らには1989年の「Fine Time」で随分びっくりしたわけですが、今回の試みも「時流の音楽をキャッチアップする」という意味ではあれに匹敵するレベルのことはやっているはずなのに、このアルバムでは実に自然で。
守りに入ることなく、でも異質にならないままこういうことできるのは、昔のこと持ち出すようだけど「音楽的コアを失ったところから始まったバンド」の真骨頂なんじゃねえかなとか思ったりも。


Of Monsters And Men / Beneath The Skin
だからアイスランドってどういう国なんだろうと。また出てきたよ突出したのが。前作で曲によって聴かれた無理くり取って付けたようなポップ感はなくなり、もう完全に自然体でアホみたいなスケール感のこういう音が出てくる。
あと、こういう枯れた感じもするヴォーカルなのに実際大変に可愛らしいお嬢さんだというのもポイント高い。大事。


Only Real / Jerk At The End Of The Life
これ以上ないくらいのダサいユニット名とダサいアルバムジャケット。町田のタワレコでたまたま暇で試聴したから買った。危ないところだった。
出てきたのはとてつもなく緩く、でもやたらに完成度の高いポップス。こういう耳触りのポップスはThe Cars以来かもしれない。キャッチーなメロディとラップ調のヴォーカルは、バンドものもヒップホップも同じ価値観でもって聴いてきた証。こういう音がもっと増えてほしいと思う。


Giorgio Moroder / Deja Vu
時代にアジャストしまくる75歳。
さすがに現在進行形のパッキパキのEDMには付いていけず、でも何とかしたいと思っている身にこのおじいちゃんのフィルターさ加減がちょうどよかったのはいいことなのかどうかわからない。それでも今年一番気持ちよくフィットしたダンスミュージック。俺もおじいちゃんのように頑張ろうと思った。


Mbongwana Star / From Kinshasa
年の瀬にテンション上がった奴。コンゴの民族的音楽とフランスのポストパンクミュージシャンのコラボの結果、こんなとんでもない音が出てくる。25年前にJesus JonesのMike Edwordsが言った通り、もう新しい音楽は既存の音楽の順列組合せにしか生まれ得ないのかもしれないけど、でもまだ新しい組み合わせはあるんだよ。