17分25秒の超大作シングル、吉川友の「花」をようやく聴いた。
思ったよりも3つの楽章がバラバラで、1曲というよりは「3曲メドレー」感強くそこは残念だったけど、時間軸が進んでいく感とか歌詞のスケールがでかくなっていく感は非常によくわかり、楽しく聴けました。つうか大森靖子作詞の第二楽章が名曲。大森靖子の歌詞とかノリはそんなにグリグリ推しているつもりはないんだけど、でもこの歌詞は素晴らしいわ。
あと、出てくると思った「ボヘミアン・ラプソディ」的展開が速攻で出てきて笑った。

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ゴールデンボンバー新作はメンバー別体臭カード+CDの異色作

ハナからチャートに入る気なしっていうのは、インディーズならではのフットワークの軽さ故と言ってしまえばそれまでなんだろうけど、それでもここまで割り切れるのはちょっとすごい。

それでも宇多田ヒカルが2012年に「桜流し」を配信以外ではDVDでのみリリースしたのも、チャート云々の話題が世間の俎上に乗らないようにしたという面もあるんじゃないかっていうのは思っていて。
彼女は、2004年から2005年にかけてそれまでの流れとしては異常に実験的な音源をシングルとしてリリースし、案の定大コケし、その後世間におもねった作りの「Flavor Of Life」が馬鹿売れしたことで、その後のいろいろに見切りを付けたのではないかと推測しているので。もうそういうところで一喜一憂したくないと考えたが故の策ではないかと思ってしまうのです。

また、ジャニーズのA.B.C-Zが、シングルは全て「DVDのみのリリース」なのにアルバムは普通にCD出すというパターンでやっておりまして、こちらは1位になりたくないとかではなく、先日1年間のリリースの枠を調べた際に現状で「ジャニーズ枠」の多さがやたら目立ってましたが、要するに他社との擦り合わせによって、これ以上の枠持っていくのは勘弁してくれよという話になった結果になったか自粛したか、と推測したり。

これまで言ってきているように、現在の日本大衆音楽界隈、チャートを気にする層と気にしない層にぱっつり分かれつつありまして、それは気にする層が「チャート上位」がプロモーションであるとか世間的なバズとして有効であると現状で考えていて、気にしない層は少なくともチャート上位に持っていくためのコストを考えた場合、別の手の方が相対的に効果が上と考えているからで。ゴールデンボンバーなんかまさにこういうネタ仕込んでネット等でバイラル回した方が確かにずっと効果的であると思います。

先に紹介した吉川友の17分25秒シングルも、こんな尺の曲じゃテレビもラジオも通常では無理なわけで、従来の思考でいけばアイドルの曲としてはありえないわけですが、こちらも「奇をてらった」部分でのネット上への拡散であるとか、「無理」なことに匹敵するだけの別の手があることが前提になってリリースに至っているわけで。

様々な思惑で様々な曲が様々な販促でもって世に出ていくのはなかなかに面白く、また従来より申しております「J-POPは楽曲だけでなくプロモーションも含めて本体」という自説が裏付けられていくような気がして嬉しかったりもするのですが、以前ちょっと予想が当たってちょっと天狗になった途端に微妙に炎上起こしてシオシオになったことがありますので、これからも謙虚に生きていきたいと思います。