土日でHostess Club Weekender行ってまいりました。
今回はもうとにかく一度生で観ておきたいのばっかりで、すごい勢いでチケット取りました。

1日目。

East India Youth
Mercury Prizeにもノミネートされた、イケメンひとりプロジェクト。基本はアンビエントっつうかポストロックの緩い奴だけど、時々いいメロディを思いつくから時々歌ってみるよ的な風情。悪くないんだけど、それやったらサポート入れた方がずっとよくなるはずなのに、頑ななまでに一人。友達いないのか心配になるレベル。


How To Dress Well
こちらも電子音中心の一人プロジェクトですが、4人編成のバンド仕様でのステージ。ただ、バンドがまだこなれていないのか、いまいち場を作れていない感じで、音源の方がまだサウンドとしてよいと思いました。それでもは生声のとすごいエフェクトかけているのとマイクスタンド2本立てて、楽器のようにスタンドを操りながら歌うのはすげえかっこいい。


TUNE-YARDS
あかんこれかっこいい。女の子の一人プロジェクトだけどステージは5人。ベース&サンプラーの男子以外は全員概ね何かしら叩いているという状況、過半数の曲で音階があるのは歌とベースだけという事態。それでもその場で録った音をそのままループで回すという技も使うため、実に多彩なリズムで全然飽きない。確かにトライバルに聴こえる瞬間はあるのですが、全くもって奇跡的なまでに土の匂いがしない。トムトムクラブのリズム派手版とでも言えばいいのか、明らかにアーバン・ミュージック。不思議。


Caribou
いやあ、アガった。最新アルバム決して嫌いではないにしても、そこここで絶賛されてるほどよいかなあと思っていたのですが、ライブで聴くとやっぱすげえ。音源としてピンと来なかったのは、たとえばUnderworldとか大御所は何だかんだ言って曲の作りがポップス的というかミュージシャン的なのに比べ、非常にDJ的な作りであるためか、と。1曲1曲のパンチは大御所には適わないんだけど、曲を並べ流れで聴かせていくことで最終的にものすごい昂揚感があると言うか。素晴らしい。


Belle And Sebastian
いや、もうどっからどう聴いてもベルセバ。文句の付けようがない。この日は会場内ずっとそんなにみちみち感なかったのが、ベルセバの時はもうぎゅう詰め状態。翌日は結構最初の方から混雑感あったので、ということはベルセバだけを目当てに来たという人がけっこう多かったということで。そりゃみんな好きだろうよ。
マードック先生がボーダーのロングTシャツを着ていて、実際どうかはわかんないけど、ものすごくアニエスベーっぽく見えた。


2日目。

Phillip Selway
Radioheadのドラムの人のソロ。サポート入れて4人編成。
5人の頭脳のひとつがこれというのがすごく納得できる音。
幽玄な感じの曲になるとミュージカル・ソウが登場するのですが、確かに曲にすごくマッチした音色なのだけど、多感な時期を関西で過ごした身にとっては、ミュージカル・ソウのその姿かたちを見た瞬間にあの音階とあのフレーズが脳内をリピートするしかなく、横山ホットブラザーズの鬼畜っぷりを痛感する次第。あと、元StumpのKev Hopperは今何をしているのでしょうか。


Real Estate
音源以上に緩い感じで土の匂いもする。そして仲良くバンドやってます的空気。特にドラムスがいかにも細腕ドラマー的な軽い音で、曲によってはもう致命的なくらいに弱い。でも、時々そういうドラムに異様にマッチする曲もあったりするので強く言えない。ていうか、セットチェンジでドラムセットが運ばれてくる時にメンバー5人全員みちみちになりながらそれに乗ってニコニコ手を振って登場するとか、ライブが終わった途端に弦の3人がケーブル抜いて8の字に巻き始めるとか、そんなバンド嫌いになれるわけないじゃないか。


Temples
音源聴いた限りでただのオールディーズ懐古馬鹿と判断していたのですが、ごめんなさい、すげえかっこいいです。ボトムはすごく重く、ギターも歪む。
懐古じゃない、本気で70年代のあの音、あのスター性を再現しようとしている。音も観る限りギターアンプをステージ上にガンガン積み上げて、楽器からそのアンプに繋ぎ、アンプから出てきた音をマイクで拾ってPAから出すというガチなスタイル。
やっぱこういうバンドはいた方がいいね。

Thurston Moore Band
だいたいSonic Youthだろうなと思って聴いたら、だいたいSonic Youthでした。まあ活動停止はものすごく不可抗力的な側面ありますので、音変える必要ないですものね。
彼らもギターアンプをステージに積むわけですが、こっちの場合は時々ギターを押し付けてノイズをコントロールしたりするため、TEMPLESより実用度高め。
ベースが元マイブラのデビーだったのですが、Sonic Youthといい、Pixiesといい、Smashing Pumpkinsといい、古参アメリオルタナバンドには、ベースが女子じゃないとしばかれる条例とかが施行されているのでしょうか。


St.Vincent
ものすごくよくできたステージ。今のところはビッグビジネスというところまではいかず、予算も極めて限られている中でここまできちんとショーアップされた形に見せるのはすごいんじゃないか。
ほとんど準メンバー状態だった東洋人のお姉さんが大変に素敵だったのですが、調べてみたら一時Blonde Redheadにも参加していたToko Yasudaさんという日本人の方でした。
彼女はこれからどんどんビッグビジネス的なところに放り込まれざるを得ないと思うので、このレベルの箱とそういうDIY的なパフォーマンスを見られてよかった。

要するにトリ以外は1日目は概ね非バンド的な音、2日目はバンド的な音で固めて、でもトリだけ逆といういけずな並び。まあ、自分は全く問題ないんですが。とにかく洋楽のこういうショーケース的なライブが本当に少ないので、これからも期待しています。