SMAPの「Top Of The World」が何かおかしいなと思ったら全編7/4拍子だったり、SKE48の「不器用太陽」が初のバラードシングルと言いつつオーラスではメロはそのままなのにドラムだけ大暴れしていたり、奇をてらったと言えばそうなんだけど、こういうのも含めて飲み込んでしれっと吐き出すのが歌謡曲のいいところ。


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先週後半は平日ライブ2連発。必死で職場を抜け出す。

7月31日はBUMP OF CHICKEN@東京ドーム。
これまでに東京ドーム公演を行ったミュージシャンの中で最も違和感があるというか、ドーム公演的な演出がここまで似合わなさそうなバンドがドームで一体何するのかと思ったら観たくてたまらなくなり。
入り口でいきなりザイロバンド渡される。無線コントロールで一斉に光ったり点滅したりするアレ。まさかバンプがこんなことを。と思ったらこれでまさかどころの騒ぎじゃなかった。

BUMP OF CHICKENなのに銀テープばーん。
BUMP OF CHICKENなのに花火どーん。
BUMP OF CHICKENなのに巨大風船ごろーん。
BUMP OF CHICKENなのにレーザー光線ばばばー。
BUMP OF CHICKENなのに紙吹雪わっさー。

ドーム的な演出で思い当たる限りやらなかったのは火柱とゴンドラと宙吊りくらい。だいたいやった。
音ゲーの画面のような演出で手拍子やコールを求めてきたり、名刺代わりの大事な曲のはずの「天体観測」は藤原くんのネタまみれの爆笑歌唱指導の後に披露されたり、もういろいろとこれまでのイメージくつがえされっぱなし。でも純粋にそれが楽しいし、それだからあんなに盛り上がる。

前にサカナクションの「SAKANACTION」を聴いて「山口くんはもうどれだけ好き放題やってもブレずにサカナクションの音が出せるという自信があるのだなあ」的なことを言いましたが、デビュー15年にして藤原くんもようやくその境地に達したのだろうと、思いました。初音ミクとデュエットしても、Mステ出てピック咥えてスマイルしても、ドームで銀テープ2度も発射しても、おどけて変なポーズで踊っても、もうそんなの関係なく揺るぎなくBUMP OF CHICKEN

このレベルで確立されたスタイルを持ったままここまで大きなバンドになるためには、様々なこだわりであるとか、ストイックさであるとか、覚悟とかが必要だったと思うんだけど、15年経ってようやくそんなの意識しなくても、何をしてもきちんとBUMP OF CHICKENたれるようになった。
むしろこのバンドはこれからの方がずっと自由で面白いんじゃなかろうかと思ったライブでした。


8月1日は武藤彩未@渋谷クアトロ。
アミューズの思惑通りに彼女が伸びていけば恐らくこのサイズの箱でやることは今後無いはずで、そもそも何とかして生で観たかったということもあり、けっこう必死にチケット取った。
ポニーテールで登場した彼女は、ほっぺた大きめだし決して「完全な美少女」という風情ではないのだけど、アイドルとしてのキラキラ感ハンパなく、トークや振付込みでライブ見ているうちに何か可愛くてたまらなくなってくる。じわじわ後からくる可愛さ。これはいかん。

楽曲や彼女自身の佇まいは80年代的なんですが、アクション大きめの振付や敷居低めのトークや煽りは近年のライブアイドルのそれというハイブリッドなスタイル。こういう仕組みで入り口でおっさん引っ掛けてライブに連れてきてメロメロにする気だな。メロメロになったよ。
つうかさくら学院卒業から2年の潜伏期間は伊達じゃない。レッスンを積み、少しずつライブという現場を経験しながら身につけたスキルによってまるで手のひらで転がされているような気持ちになる。でもむしろ転がされたい。実際、観客層は他のアイドルと比べても明らかにおっさん多め。だいたい全員俺みたいな感じなのでしょう。みんな馬鹿だなー。
そしてライブ会場限定のLPジャケットサイズのカバー曲CD2枚物販でお買い上げ。5,000円なり。またこうやってアミューズにお金を使ってしまう。しかしもうこれは抗い難い。

9/14はBABYMETAL、9/20はポルノグラフィティのライブ予定。これは俺もうアミューズのカモやないか。