薬師丸ひろ子の35周年記念コンサートのチケット価格が\8940。数十年前、野球チームに参加した際の背番号以来一切のブレがなくて素晴らしいのですが、ちょっとお高いのね。

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コロムビア、新星堂子会社のオーマガトキおよびシリウスの株式を取得し子会社化

ああ、オーマガトキ。
新星堂の「レーベル」としての働きは、クレプスキュールを日本に紹介したり、その流れでUKのインディーレーベル所属バンドの音源を素晴らしい選曲でまとめた3枚組サンプラーアルバム「3×20」をリリースしたり、派手ではなくても印象的だったわけですが、ことクラシックギター系の音源についてはオーマガトキは一時は最高峰とも言えるレーベルだったりもしたわけで。
コロムビアがきちんと継承してくれることを祈りましょう。

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きゃりーぱみゅぱみゅ / なんだこれくしょん (album)

桑田佳祐が50年代60年代の和洋の先達がクリエイトした優れた音楽のパーツを引用しながら今の音楽を奏でるように、ナカタヤスタカはそれにプラスして80年代以降の優れた電子音楽のパーツをも引用しながら2013年の音を組み立てる。そうやって生まれた曲を時代のアイコンとでも言うべき女の子が歌う。まさしくこれが最新版の日本の流行音楽であり大衆音楽なんです。

そんなことを薄らぼんやり考えながら聴いていて、最終曲「おとなとこども」のあからさまに90年代ハウスミュージック的なトラックで、何となく答え合わせをしてもらったような気になった。

Perfumeが「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」でそれまでの「テクノ」から「エレクトロ」に音楽性を変更したことでその先の方向性が定まったように、きゃりーも「にんじゃりばんばん」で明らかにそれまでと何かが決定的に変わったような気がしていて、でもいまだにそれが何だか言語化できないでいるのだけど、このアルバムをダーッと聴いて、何となくそこで「かっこよさ」を気にすることを完全にやめて「大衆音楽としての覚悟を決めた」のかなと思えてきた。
だいたいこういう音に「和」のテイストを入れると概ねダサくなりがちで、この曲は結果として実にうまく収まっているとは思うのですが、そういう「ダサい」ことを恐れなくなったというか。

ともあれ「もしもし原宿」よりも「ぱみゅぱみゅれぼりゅーしょん」の方がいいし、「ぱみゅぱみゅれぼりゅーしょん」よりも「なんだこれくしょん」の方がいいということになりまして、それがトラックメイカーと歌い手の相互理解が進んだ結果だとしたら、それは何と健全で素晴らしき進化なんだろうか。もっともっとどんどんやってほしい。楽しくて仕方ない。

ただ、Capsule「Super Scooter Happy」の待望のカバー、ミュート効かせたトランペット音とかいろんなSEとか相当元曲まんまなのに、リズム処理だけは小西康陽的な匂いを完全に消しているところは、やっぱりナカタヤスタカにも脛の傷はあるのかとちょっと微笑ましかったり。

あと、やっぱ「インベーダーインベーダー」のベースになっているのは「レナウン娘」の歌だよね。アパレルつながり。