今の30代とかが「今のJ-POPは糞、昔の音楽は良かった」と言いますが、彼らが思春期だった頃、90年代のJ-POPはそれはそれで既存の音楽ファンからは「ゴミ」と叩かれていたし、そこで「ゴミ」呼ばわりしていた人が好きな音楽もまたひとつ前の世代からは「意味がわからない」「こんな騒音のどこがいいのか」「電子音には人間の温かみが感じられない」等々、散々に叩かれてきたわけで。もっと以前の「良識派」によるビートルズ等「ロック」批判とかも考えるにつけ、そりゃもう「最近の若者はなっとらん」論レベルのサイクルを延々と繰り返しておりまして。
その状況に「現在のテレビのメイン視聴層は50代以上」という事実を掛け合わせて考えた場合、「紅白歌合戦から演歌をなくすのはおかしい」という結論にたどり着いてしまうのは泣けるほどに自明の理。むしろ増やすべきという意見にしかなりようがない。
ただ、そこらはNHKが迷っている間にテレビ東京がごっそりおいしいところを持って行き、独自の存在感を確保してしまっているので、もう戻れない。
まあ、NHKの例の「お茶の間全員で楽しめる番組」という方針で毎年こんなかんじにせざるを得ず、でも今年は発表された楽曲見て何か「例年より派手」感がひしひしといたします。演歌勢がアゲ系の持ち歌をこぞって用意し、初登場者は今年の楽曲にこだわらず一番浸透している曲を用意しているパターンも多く。
以下、今年の歌唱楽曲と発売年。発売年右のカッコ内は、数字はその曲を過去何回歌っているか。Aはシングルではなくアルバム収録曲、Bはシングルのカップリング曲。
歌手名 | 曲名 | 発売年 | 歌手名 | 曲名 | 売上 | |
aiko | くちびる | 2012(A) | 嵐 | メドレー | --- | |
絢香 | はじまりのとき | 2012(A) | 五木ひろし | 夜明けのブルース | 2012 | |
いきものがかり | 風が吹いている | 2012 | HY | いちばん近くに | 2012(A) | |
石川さゆり | 天城越え | 1986(8) | EXILE | RISING SUN | 2011(2) | |
AKB48 | メドレー | --- | NYC | メドレー | --- | |
SKE48 | パレオはエメラルド | 2011 | 関ジャニ∞ | メドレー | --- | |
きゃりーぱみゅぱみゅ | メドレー | --- | 北島三郎 | 風雪ながれ旅 | 1980(7) | |
香西かおり | 酒のやど | 2012 | 郷ひろみ | デンジャラー☆ | 2012 | |
倖田來未 | Go to the top | 2012 | ゴールデンボンバー | 女々しくて | 2009 | |
伍代夏子 | 恋ざんげ | 1993(2) | コブクロ | 紙飛行機 | 2012 | |
坂本冬美 | 夜桜お七 | 1994(5) | 斉藤和義 | やさしくなりたい | 2011 | |
天童よしみ | ソーラン祭り節 | 2012 | 三代目 J Soul Brothers | 花火 | 2012 | |
中島美嘉 | 初恋 | 2012 | SMAP | メドレー | --- | |
西野カナ | GO FOR IT!! | 2012 | 舘ひろし | 嵐を呼ぶ男 | 2012(A) | |
Perfume | Spring of Life | 2012 | TOKIO | KIBOU | 2012 | |
浜崎あゆみ | メドレー | --- | 徳永英明 | 上を向いて歩こう | 2012(B) | |
藤あや子 | わすれない | 2012 | AAA | 777 -We can sing a song!- | 2012 | |
プリンセス・プリンセス | Diamonds | 1989 | ナオト・インティライミ | Brave | 2011 | |
水樹奈々 | BRIGHT STREAM | 2012 | 氷川きよし | 櫻 | 2012 | |
水森かおり | ひとり長良川 | 2012 | FUNKY MONKEY BABYS | サヨナラじゃない | 2012 | |
ももいろクローバーZ | メドレー | --- | 福山雅治 | Beautiful life | 2012 | |
YUI | Good-bye days | 2006 | 細川たかし | 浪花節だよ人生は | 1984(5) | |
YUKI | プリズム | 2002 | ポルノグラフィティ | カゲボウシ | 2012 | |
由紀さおり | 夜明けのスキャット | 1969(2) | 美輪明宏 | ヨイトマケの唄 | 1965 | |
和田アキ子 | 愛、とどきますか | 1992(2) | 森進一 | 冬のリヴィエラ | 1982(2) |
そしてJ-POP関連は何となく「若手は元気な曲」「ベテランは落ち着いた曲」という配分になっている感。YUKIは浸透度で言えば「JOY」とかの方が上だと思うんだけどそこは40代、多少落ち着いた感じで。徳永英明はアルバム楽曲ではなくカバーアルバムの先行シングルにカップリングとしてだけ収録されていたのをあざとく見つけられたようです。
そして由紀さおり・美輪明宏のあたりは既に曲目の段階で恐ろしいほどの風格。つうかこの2曲はズルい。考えただけでアガる。
演出は去年少しだけ使ったプロジェクション・マッピングをもっと多用してくると予想、楽曲含めて全体的にかなりこれまでと違った感じになるんじゃないかと期待しています。本当に期待してる。