ユーミンの今回のベストアルバムのタイトルとジャケットはこんなことになっているわけですが、正味のところこれが彼女のデビュー来の美意識にマッチしているとはとても思えず。前回、1999年のまだ余裕ぶっこけていた頃のベスト盤は彼女らしい美意識に溢れたこれもんなわけですから。
要するにこれ、先日のニューアルバムが累計で8万枚しか売れなかったりでもうビタイチ余裕なくなり、美意識じゃお腹はふくれないのでやむを得ず今回は馬鹿にでもわかるようにしました、だからじゃんじゃん買ってね。という彼女からの切実なメッセージです。なので皆さんじゃんじゃん買いましょう。

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先日の「iTunesにないよ」リスト、大幅増補版を作成中。
YMOファミリー関連に手を付けたところでその移籍の糞多さ故にレーベル別の表のままだとエラいことになると気付き、いろいろ変更したりしています。もう少しかかる。

で、1社だけ「レーベル単位で配信なし」の会社が残っていることに気付きました。MIDIです。一応現役のミュージシャンも抱えてはいるものの、会社の懐を十分に潤すだけの利益を持ってきてくれる方はおらず、現状およそ原盤管理で食っている感のあるレーベルですが、その分過去カタログは大切な財産。おいそれと配信でばらまくわけにいくかいなというところでしょうか。従いまして虎の子のSCHOOLレーベル関連音源はもとより、ゆらゆら帝国、サニーデイ・サービスといったあたりも配信一切なされておりません。まあ気持ちはわかるけどねえ。

もうひとつ得た結論としては、SONYは現在現役で在籍している人のケアは概ねきちんとしているものの、ドリカムやスカパラの在籍時音源やTHE STREET SLIDERSやBarbee Boysすらないように、移籍したり解散したりで今レーベルにいない人の音源については有名どころでもかなり厳しい状態になっているということ。俺は詩人の血とか千年コメッツとかグラスバレーとか推定少女とかが聴きたいんだけどどうしたらいいんだ。

あと、結果として何も表には残らなくても「全アルバム配信あり」の確認をするのにも時間かかったりしてなかなか進まないのですが、そこで感心したのがさだまさし。オリジナルアルバム全37枚、完璧に配信あり。これはグレープからソロに移行する際に原盤管理会社フリーフライトを立ち上げ、レーベル移籍しようがソロデビューから一貫して権利を自分のところで押さえているからこそできる技。かくあるべしという感じです。
逆に岡村孝子とか泉谷しげるとか細野晴臣とか、一番いい時期の音源をがっちりレーベル側に押さえられて配信されてなかったり。まあレーベル側も「ネットに常にある」状態よりは、この事例のようにCDの復刻と廃盤を微妙に手を変えながら繰り返した方が実入りがよろしいと判断すれば、そうなっちゃいますわな。
それでも盤で揃えたい俺みたいなおっさんは配信されていようとCD出たら買っちゃうんだから、裾野広げるためにも配信しちゃえばいいと思うんだけど。今年も相変わらずものごっついセット出してくるビートルズが良い例です。

しかし、11月7日はエアロスミスの新譜、14日はビートルズのこれとストーンズのベスト盤、21日はツェッペリンのライブDVDと出るわけで、CD屋店頭が目も当てられないことになっていそうです。SexyZone買いに来た女子中学生が逃げ出すレベル。