ミスチル新アルバム「SENSE」ミリオン確実

ミスチルのこのアルバムの記事に絡めて、AKBとかを揶揄してる人も多いですが、「大した宣伝や煽りをしなくても、実力ある歌手の作品なら自然と売れて行くもの」みたいなことを言ってる人は、売れてる音楽の中からしか取捨選択したことのない、ある意味幸せな人なんだなあ、と思う。
というか、この人は今回のアルバムの情報統制、この記事までの流れこそが相当に大規模な「宣伝」として機能していることに気付いているのだろうか。ティーザー広告の典型的手法ですが。

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「トイレの神様」今度はドラマ化…植村花菜役に北乃きい

ドラマ化。トイレの神様すげえ。
11/24というタイミングでシングル化してる時点で、前々からいろいろ決まっていたことは透けて見えるわけですが、1/5というタイミングでドラマ放映っていうのは、これどれだけ前から綿密に段取りしてたんだよっていう。
やっぱり曲を世の中に公表した時点で、年末年始をピークに設定した、相当いろいろ巻き込んだ大規模なプロジェクトが走ってたんだなあ。こうなると植村花菜はむしろ「巻き込まれた」側のように見えてくる。

以前にも書いたように、この曲は肉親の死をテーマにした大長編楽曲という、いわば「劇薬」的な手法を敢えて使った曲であり、彼女がこの後これ以上にインパクトの強い曲を書くのは相当に難しい作業であり。それをこれだけ威勢よくプロモーションされてしまっては、完全にここをピークとしてその後身動き取れなくなり、彼女は結果としてこの曲に潰されてしまう形になるのでは、という危惧を持ってしまうのです。

それは不幸なことなのか、それともたとえこういう形であっても、世に残る1曲を出せれば、クリエイターとしては本望なのか。正直、よくわからない。

いや、理解はできるんだよ。CDだけでは大した売上にならない今の世の中、メディアミックス型のプロジェクトで大規模化することで複数企業の利益を最大化させましょうというのはビジネスとしてはすごく正しい。

そしてライト層の音楽の消費の仕方として「楽曲」単位で聴かれることが圧倒的に多くなった今では、「アーティスト」という単位ではそういうプロジェクトが成り立ちにくくなり、状況に合わせて「楽曲」単位でビッグ・プロジェクトを仕立てようという意図もわかる。

でも、それによって完全にメディアのお神輿に乗っけられた一人の女性の人生が猛烈な勢いで翻弄されるであろうことがほぼ明らかな今の状況、何となく不安な気持ちにはなっている。
願わくばこの嵐が去った後、固定ファンがきちんと残った状態で、穏やかにアーティスト活動を継続できる状況であってくれれば。