えーと。
UVERworldのライブ後に、初対面含めての飲みが妙に盛り上がり、結局朝まで飲んでいたら、案の定今日1日使い物にならなくなり、週1分またパスで。
つうことで土日連発でライブ。

UVERworld@東京ドーム

アニメ主題歌でデビューしたチャラいタイアップバンドだと思ってたら、他のその手の人たちのように、その主題歌だけはヒットするけれどあとは概ねシオシオという通例を無視して、そのままアニメ関連と全く異なる領域のファン層を新たにすごい勢いで獲得しながらデカくなり続け、今やノンタイアップであっても普通に上位に食い込んでくる。

ヴォーカルはイケメン、メロはキャッチーなのに演奏は馬鹿テク、デビュー以降徐々に楽曲の構成は複雑になっていき、しまいには安易にうろ覚えでカラオケで選ぶとエラいことになるような難解な構成の曲を平気でシングルで出してくる。

一貫してビッグマウスを吐き続けギラギラの上昇志向を剥き出しにし、「ドームの1曲目にやる」と宣言してあちこち煽りまくりの歌詞のシングル、こともあろうかタイトル「No.1」という曲をドーム3日前にリリースする。

正味、今の時代に非常にそぐわないスタイルのバンドでして。その巨大化とビッグマウスの果てにたどり着いた東京ドーム。2階席上部に多少空席がある程度、ほぼ満員と言っていい客入り。公称42,000人。もうこの時点で彼らの勝利です。

しかもコアなファンの気合いが違う。
動員自体はPerfumeより少ないものの、物販はそれ以上の光速で売り切れ。行列もものすごいことになり、通常物販は場外のメイン会場と場内の売り場双方で売るものなのに、場内で売るはずだった分まで速攻で全部捌け、場内での物販一切なしという異常事態。どれだけ熱心なファンの層が厚いんだという話。

で、ライブ開始1曲目「No.1」こそ音響のトラブルかドームであることを差し引いても非常に音質が悪くて、これ大丈夫かと一瞬思ったんですが、以降は復活。
レーザー多め、スモーク多め、炎多めの猛烈にショーアップされたライブをきっちりと3時間近くやりきったわけですが、そういう「見せる」部分はまったくもってこのバンドの本質ではなく。

暑苦しいくらいに夢を語り、自信たっぷりに煽る。それでオーディエンスの気持ちも自分達の気持ちも上げていき、場全体の空気をこっち側に持ってくるという、まんま昔の「ロックバンド」然としたというか、むしろそれをさらに煮染めて濃くしたようなスタイル。

別に昔のロックバンドのようだったらいいというわけでもないけれど、でも、楽曲単位で続々消費されていくことが多勢を占めている現在のシーンの中に、こういうアーティストとしての求心力でもって、しかも王道を突っ走ってここまでデカくなれるバンドがいる、ということが純粋に嬉しいんだよ。

青臭くて、40になってしまった自分にはあまりに眩しすぎるけれど、それでも、自分が中学生の時に尾崎豊のライブで心打たれたように、このライブを観ていた中高生達はきっと何かを感じるだろうし、そういうアーティストに触れれば、きっと音楽は使い捨てする一般消費財ではなく、もっと大切なものになる。

もっとデカくなって、もっと複雑で煽りまくりの曲をオリコン1位とかにして、4大ドームツアーとか余裕でやってほしい。彼らのスタイルでそれくらいまで売ることができれば、レコード会社各社いろいろ方針考え直さざるをえない。今の日本の音楽は本当に少しでも変わるかもしれない。
それくらい今の日本では重要な指針になりうるバンドだと思った。


■ふくろうず@代官山UNIT

バンドを結成しての打ち合わせの際に「曲を持ち寄ろう」という話になっていたのに、真面目に持ってきたのがヴォーカルの内田だけで、結局そのまま彼女がメインソングライターとなったという逸話が大好きなんですが。
本当にやる気あるのかないのかよくわからんような感じで出てきて、でもCD以上に締まった、曲毎の表情がより一層はっきりする演奏。
間違いなくよいバンド。
披露した新曲も非常に良い曲だったし、今後にも期待できそう。

MCは主にベースの兄さんが担当でしたが、それがグダグダなのはまだ仕方がない。これから場数をこなしていってもらえれば。
内田は予想以上に小動物的なキュートさを備えていて華もある。やっぱりもっと彼女を前面に押し出した方がいいと思った。しかし、どうも現状では喋らせるとベース兄さん以上にグダグダになりそうな感じなので、そこは訓練だ。

あと今回客席があまりに酷かった。こういう若手バンドのワンマン、確かに値踏みするような形で観ている人が多いのは仕方ない。自分だって正味そういう感じなわけですし。
逆にバンド側が張り切って手を振らせたり、タオル回させたり、というのは、自分はどちらかと言えば好きではない方。勝手にやらせてくれと思う。

それでも今回身じろぎもせず、曲終わりの拍手すら一切しないでただぼんやり棒立ちで見ているだけの人があまりにも多すぎた。仕方が無いのでMCのときに率先して拍手してみたら、続いてまばらに拍手は起きるものの、周りの数人からは「何してんの」みたいな目で見られる始末。
お前らぼーっと立ってたら勝手にアンコール演奏が始まるとか思ってんじゃねえぞ。

このバンドにとって最大の急務はオーディエンスとの関係性作りだと、切に感じました。

次回からはまた紅白いじりを中心に。