劇場版ゴキゲン帝国@渋谷WWWのライブのこと

土曜日は劇場版ゴキゲン帝国@渋谷WWW。
リーダーの白幡いちほによるセルフプロデュース型のアイドルグループ。彼女は元々人力舎所属の芸人で正味その流れで展開されている側面もあるため、そこここで笑かそうとするものの、原則メンバーはガチで上昇志向あり。観ていてそのモチベーションの高さは否応なしに伝わってきます。

フロアはモッシュ、ダイブ、リフトあり。昨今WACK勢やらまねきケチャやらPassCodeやら、元々フロアのオタが荒ぶりがちなグループで次々に規制が強化されている中、公式に認められている現場はけっこう貴重。
そのせいで吹き溜まったかわちゃわちゃしたオタの割合が非常に多く、でも曲に合わせず勝手に暴れるような無茶もなく、彼らとステージ上のメンバーとのコミュニケーションも含めた独特の空気がある意味このグループの味になっているような。
ROCK IN JAPAN等ロッキンオン系のフェスの徹底的なオーディエンス制御に違和感を持ったラウド・パンク系のバンドが、次々に自分たちのルールで運営する自主フェスを立ち上げたのですが、その現場の空気感の差異に近いのでは、というのは多分言い過ぎ。

そろそろWWWのワンマンを完売させるくらいの動員まで大きくなり、今回はメンバーでなんでもやるところから離れ、相当いろんなサポートを得て開催されたとのこと、完全な自主制作に過度にこだわった結果、悲惨な末路をたどった生ハムと焼うどんの事例もありますので、必要なところで必要な範囲のサポート入れるのは正解だと思います。
が、今回4人編成の生バンドがバックを務めたのですが、ギター2名とベースとキーボードという編成で、ドラムは何故か録音音源ダダ流し、かつ4人も譜面台めくりながらのプレイでありまして、生バンドの意味あんまりなし。本人たちの歌もパフォーマンス優先のためか完全な生歌ではなかったので、そこらへんの事情もあったための措置なのでしょうが、どこに力を入れるべきかの判断が何かちょっと違うような気がしました。

それでもモチベーション・チームワークの高さは相当であり、今後それなりに大きくなるのを期待できるような。ただ、彼らはオフィシャルの写真で便座被ったり、今回のライブのタイトルも「クソイベ」だったりしますので、万が一今後メジャーに行くようなことがあった場合、BiSHが「新生クソアイドル」というフレーズをエイベックスから咎められた事例のようなことがあると、彼女たちもいろいろ大変です。