BiSH / THE GUERRiLLA BiSH (Album)
Perfumeが自分の友人まわりでバズり始めたのは2006年、「Complete Best」がリリースされた頃。新録曲の「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」が「これはテクノじゃなくてエレクトロじゃね? 方向性微妙に変わってね? ていうかめちゃめちゃよくね?」という感じだったと記憶しています。
ももクロが自分の友人まわりでバズり始めたのは2011年、6人時代の最後期「ももクロ&神聖かまってちゃん」の2マンの頃。というか、これは私自身観ていてあまりにもすさまじいライブに驚嘆し、率先して周囲に「最高最高」と喚き散らしていたのですが、見渡すと同じように喚き散らしているのが他にも2人ほどいました。
そしてちょうど今、私の友人まわりがBiSHのことでザワついています。既に幕張メッセイベントホールでの公演を成功させている段階なので、過去2例よりはタイミング遅いのですが、これまでアイドル界隈ではももクロとBABYMETALにしか興味を示さなかった女の子が「ライブに行きたい」と言い出したり、BiSについてはむしろネガティブな感想を持っていた男が「これはまったく別だから」とがっつき始めたり。
幕張メッセイベントホールを埋め、あの場所の広い空間に存在感を完全に充満させることができるレベルの力を既に持ち、あとはいかに既存メディアに出ていくか出ていけるかという段階。そして今週12/1、ミュージックステーションに出演。
アルバムは既にパッケージ・配信とも特別価格で先行リリースされていて、コアな層はその段階で入手済みのはずなのに、正規リリースのデイリー初動は4位という状況。動き始めています。
旧BiSのえげつないレベルでのトライ&エラーがあり、その経験値があるからこそBiSHがここまでしっかりと歩を進めることができたことは間違いなく、そうやって地上に出たところで今度はWACK所属グループのメンバーによるシャッフルグループ結成や総選挙という、メジャーなアイドルグループが用いた手法を臆面もなく引用してくる。
メジャーになると離れていくインディーズ志向のオタも少なからずいますが、そういう属性の方々の推し変の受け皿としてEMPiREという新人グループを立ち上げたのは、スターダストの方針を持ってきたのでしょうか。
とにかく今、遂に渡辺淳之介というかWACKの周辺がすごい勢いで動き始めていて、観察する身としてはとてつもなく面白いことになっています。
ここまで「楽器を持たないパンクバンド」というキャッチフレーズで来ていますが、このアルバムは少なくとも音楽的にはパンクという枠には収まりきらず、これどうすんねんと思わなくもないですが、まあ「アティチュードがパンクだから」というあたりで逃げ切れるから大丈夫。
あとはこの先のライブ、幕張メッセイベントホールの次の大会場といえば日本武道館ですが、BiSが断られた際にレッドリストが「BiS」で作られたのか「渡辺淳之介」で作られたのかによって、彼女たちがどうなるかも変わります。
それでももう多少の苦難もドラマとして昇華できるレベルにはなってると思うので。むしろドームまで行ってくれ。