じょいふるミュージックや他の地方のCD店の閉店のこと

かなり衝撃的なお知らせ。
じょいふるミュージックは、東京都西部や神奈川を拠点に店舗網を持っていた中堅CD小売チェーンTAHARAの最後まで残った厚木本店の店長だった方がその閉店後、どうしても諦めきれずに新たに興した店で。
場所も厚木市随一のライブハウスThunder Snakeの道を挟んでおよそお向かいという立地で、CDを扱い楽器を扱い。その店名はいきものがかりの曲名から取られていますが、いきものがかりが無名時代にライブを行っていたのがThunder Snakeであり、初めて彼らの自主制作のCDを置いた店舗がTAHARA厚木本店であり。

私は数年間、通常の国内盤CD購入をTAHARAの支店で行っていた時期があるのですが、厚木本店じゃなくてもまだメジャー前のいきものがかりのCDをけっこう幅を取って陳列していたことを覚えています。それくらい会社で推していた。
いきものがかりがすっかりメジャーになった後も、若者の音楽活動のバックアップにも非常に積極的であると聞いています。そんな様々なところに強い志が垣間見えた店が、理由はわからないにしても6年しかもたなかった。
これで、HMVもWAVEもVirginもあったはずの厚木市市街、残る新譜扱い店は山野楽器だけとなりました。

で、他の地域でもこのような拠点となる店舗が今年は大変に目立ちます。
hideが通っていたことでおなじみヤジマレコードも相次いで横須賀市内の2店を閉め、これで横須賀市内の新譜扱いはダイエーの中の新星堂のみ。
三浦半島では逗子市最後のレコ屋、逗子レコードが8月末で閉店しました。
千葉パルコ全体の閉館で姿を消したタワーレコードの千葉店、JR千葉駅の駅ビルが工事中で、完成したら改めてタワレコ入居するのではないかと思っていたのですが、結局入らず千葉市街の新譜扱い店はそごう内の山野楽器のみに。
尼崎市では塚口駅前・阪神尼崎駅前商店街のミヤコが続々と閉店し、塚口駅前のTSUTAYAすらこの8月で閉店。尼崎市も市街と呼べる地域の新譜扱い店はなくなりました。
要するに、大都市周辺の中堅都市のレベルでもCD販売店が消滅しつつあるということで。

先日東京FMに呼んでいただいて主にTSUTAYAの閉店状況についての話をさせてもらいました。
その時、レンタル等に先んじてCD販売店が衰退していく3つの段階という話をしました。

  1)チェーン店の展開によって地域の小規模の店舗が淘汰される
  2)小型店が大型店に集約される
  3)大型店舗が閉店する

で、今CD小売店はおよそ3)に突入していると言いましたが、上記各地の状況、まさに3)の状況が「大都市圏の超大型店舗に任せて地域の一番店が逝く」という感じで進んでいるということで。

そんな中、かすかな希望。昨年2月に個人経営の店舗が閉店し、ヤマダ電機のCD売り場以外なくなっていた群馬県高崎市に、タワーレコードが戻ってきます。駅前のビブレが閉店して更地になり、イオン系列の店舗になると発表されてから予定よりずいぶん遅れましたが、ようやく10月。閉店続きだったタワーレコード、アリオ柏店を旧柏店からの移転と捉えれば、新たなオープンはららぽーとの立川立飛店以来2年ぶりです。

CD大好きですが、正直明るい未来があるとは思っていなくて、最終的には今のアナログ流行りのように「メモラビリアとしてのパッケージ文化」が細く長く残るくらいであろうと、思ってはいます。いずれは本当に大都市圏にいくつかの店舗が残り、パッケージ自体が今の初回限定盤みたいなことになって初回オーダー売り切ったら終了みたいな。
それでも、少しでも長くできるだけ多くの場所でそれが手に入る環境であればいいなとは、思っております。店でうろうろして試聴して買うのって楽しいじゃないですかって、それだけなんですけど。