JASRACが音楽教室から使用料を取ろうとしていること

音楽教室から使用料徴収へ JASRACが方針決定

いやあ、かなり燃え上がっていますが、ざっくり言うとJASRACはクソだと思います。
まあ、今に始まった話ではないんですけど。

では今回何故JASRAC急にこんなこと言い出したのか。
推測ですが、1年半ほど前にこういうことがあったのが大きいと思っています。

要するにJASRACの権限・領域が相対的に狭まっていくリスクが大きくなっている状態。このままではどんどん自分のところの実入りがシュリンクしていってしまう。
それなら新たにお金を引っ張ってこれる場所を、という流れでの今回の施策。と私は思っています。クソですね。

正味、いろいろ問いただしたい気持ちでいっぱいではあるのですが、でもこういうJASRACの動きに対するネット上の抗弁を眺めていた中で、一点すごく引っかかっていることがあるんです。

「子供の教育のための」云々というワード。

それだけものすごく引っかかる。何かそれが主流になっていて、ヤマハの人とかもそういう感じで言い出してるんですけど、それは違うんじゃないかと。

まず著作権法上「学校教育のため」の使用は元より対象外。お金取りません。が、それは公立か学校法人等の原則非営利であることが前提です。
今回対象とされた「音楽教室」。崇高な理念のもとに行われていたとしても、月謝取ってそれで先生が口に糊して、会社にも利益が入っています。そもそも楽器会社や楽器店が何で音楽教室を経営しているのかといえば、正味将来顧客の拡大と囲い込みにあることは間違いなく、これらは明確に営利行為であり、学校教育と同一化して語れるものではありません。

そもそもルールや法律を判断する際に「子供」の存在を混ぜ込んでしまうとだいたい面倒臭いことになります。「かわいそう」という概念が入って来ちゃう奴ですね。
そんなん主観でしかないわけですから法的な判断には邪魔なだけなんですけど、でも何か張り切って混ぜちゃおうとする方々が後を絶ちません。

別の例で言えば、ベビーカーが電車のドアに挟まれて引きずられた件、産まれそうな妊婦さんが病院をたらい回しにされた件、両方とも鉄道会社や病院が吊し上げ状態で報道されていたわけですが。
でもベビーカーの車輪の一部だけ挟まったのでセンサーが作動しなかったということであれば、別に電車のドア全開から瞬時に完全に閉まるはずはなく、つまり「閉まりかけたドアに無理やりベビーカーの車輪突っ込んで止めようとした」としか考えられないわけで、じゃあそのお母さんの行動はアリなのか、という側面でも本来は語られる必要があり、妊婦さんはそもそも妊娠したら届け出して母子手帳もらって病院決めてそれ以降検診から分娩までそこで行うというのが通常なのに、それがたらい回しっていうのは要するに産まれる寸前まで何もしてなかったってことじゃないんですか、届け出してないとしたらそれは母子健康法に照らすと違法ですよってことなんですけど、「かわいそう」が勝っちゃうとそういう報道になり、そういう世論になってしまう。

だから今回のJASRACの件も「子供の教育上」的な話では判じてほしくないんですよ。そもそも「教育」ではないし、子供の話をし出すと「かわいそう」が入ってきてしまう。
「何で今になってそういうルールにしたんかそのプロセスから話してくれんか」と「同じ立場で習っている生徒を『公衆』と見做すのはさすがに無理があるんとちゃいますか」という、客観的に突っ込めるこの2点でもってJASRACに詰めていっていただきたいと、強く思う所存。