ジャーニーサンタナがそれぞれ単独武道館公演を開催すると聞いてこの21世紀に何て無茶なことをと思ったわけですが、そこはそれ、ジャーニーが3/11、サンタナは3/12と日を並べて設営関連の固定費をニコイチにすることで損益分岐点下げまくってやるぜというウドーの戦略によるものであり。
しかし蓋を開けてみたら、ジャーニーはA席まだ残っていてサンタナはS席もA席も残っているという恐ろしい事態に。サンタナは見切り発車で東京国際フォーラムで追加公演まで決めてしまいそっちもS席A席残っているという、やっぱり無茶であったことが非常によくわかりすぎて泣きたくなる状況。

サンタナはもう全盛期から40年が経過し、もうそろそろ当時からのファン死んじゃっててもおかしくなかったり、ジャーニーの当時のファンはまだ概ね死んでないと思うけど彼らの活動の流れで判断する限り悲しいくらいに新規ファンの流入が期待できなかったりで、どう計算してこういうことしようと思ったのかよくわかんないんですけど、ウドーの中の人達はその頃の音楽が好きすぎてもう世の中のことをよくわからなくなっちゃっているのではないでしょうか。
その感覚は愛すべきところでもあるのですが、でも少なくともその心持ちのままフェスをやってはいけません。二度と。言われなくても死ぬほど懲りてると思いますが。

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UNCHAIN / Love & Groove Delivery (Album)

ブラックミュージックをベースにしつつもエッジの効いた音をやっている彼らのカバーアルバム。
めちゃくちゃいいですこれ。ここまで完成度の高いカバーアルバムそうないです。元曲を好きな人をがっかりさせるような「破壊」は一切行わず、でも完全に自分たちの世界に曲を引き寄せまくるというとんでもなく絶妙なバランスの上に成立している全10曲。

完全に「本物のR&B」と化している宇多田の"Automatic"、ほぼコピーかと思ったら途中で愉快なブリッジ挟んでくるEmotionsの"Best Of My Love"、元曲のグルーヴを極限まで濃縮したような岡村靖幸の"Super Girl"。そして白眉は少女時代の"Mr.TAXI"。ここまで豪快に元曲を超えてくるカバーあんまり知らない。むしろこういうアレンジにされるために生まれてきたメロディとしか思えない完成度。素晴らしい。