Foo FightersのライブとHusker Duのこと

8日、Foo Fighters観にさいたまスーパーアリーナ行ってきました。

前日に友人から「チケット浮いてるんだけど」ということで。そういうのはお金と時間が許す限り手を挙げる自分ルール。そういうのでいろんな発見が過去にもあったので。

とはいえ、正直Foo Fightersにすごい思い入れがあったわけでもなく。
Nirvanaど真ん中世代ですが、どうしてもそれよりはライトに聞こえてしまって、何となく2000年代半ばまで新譜を追っていたくらいで。

友人に「行く!」という返事をして、とりあえず2023年の一番新しいアルバムを聴いてみたら、これが素晴らしくてびっくりする。

さらにベスト盤を押さえながら時間が許す限り聴き回って何となく腑に落ちる。

「Husker Duの最も正統な後継者じゃないのかこれは」

1980年代前半、ハードコアパンクのシーンでデビューしたものの、Bob MouldとGrant Hartの2名のソングライターを擁してその枠からはみ出しながら、メロディアスかつエッジの効いた、その後のUSオルタナティブの基礎と言っていいサウンドを生み出したバンドがHusker Duですが。CDがリリースされたあたりでキャッチアップして死ぬほど聴き倒しました。

Foo Fightersは1stアルバムからずっとそのベースはそういう音だったのに、何で今更気付いたのかと考え直したのですが、自分が勝手に「ポストNirvana」を期待して勝手に「何か違う」と今まで思い込んでいたんじゃないかと思います。そういう最初から偏見よくない。

それに気が付いたのはとりあえずで聴いた2023年の「But Here We Are」で音に、ふと「Grant Hartっぽいなこれ」と思ったことで、でもベスト盤とかそれ以前の音は思い返せばどっちかと言えばBob Mouldっぽい曲が多い。

2人がどう違うかと言われると少し困るのですが、Grant Hartの方が湿り気があるというか影があるというか、何となくそんな感じの風合いの差異がありまして。
その双方の音を出しているFoo FightersはだからHusker Duっぽいのです。自分の中でそういうことにします。

考えてみればDave Grohlは1980年代からバンド活動していて、Nirvana期の活動中に自分の趣味で作っていた曲で制作されたのが1stアルバムで、バンドとして集められたのがNo Use for a NameやGermsのメンバーだったりするので、そりゃ直系の音にもなります。


というような気持ちを抱いたうえでライブに臨むとこれはすごく心に来ます。
今回は30周年のツアーのため完全なベストヒット選曲のため、2023年のアルバム楽曲はなし。
それでもリアルタイムで聴いていた頃のヒット曲連発ですので、それはもうアガります。

01. All My Life
02. Rope
03. Have It All
04. The Pretender
05. Times Like These
06. White Limo
07. These Days
08. Walk
09. My Hero
10. Learn To Fly
11. This Is A Call
12. No Son Of Mine
13. Sky Is A Neighborhood
14. Shame Shame
15. Monkey Wrench
16. Aurora
17. Best Of You
18. Exhausted
19. Everlong

DaveがNirvanaというある意味特異なバンドに在籍したからこそ自分で書いていた当時のUSオルタナど真ん中の楽曲群、Nirvana前後のあたりからUSオルタナティブは様々に展開していくのですが、その中でDaveは自分が好きなサウンドを鳴らし続け、途中でそれ以外の様々な要素も取り込みながら成長し、完全に「王道」のサウンドとして目の前で爆音で鳴っている。これ最高じゃないですか。

今鳴っている音楽によって、自分がずっと聴いてきた音楽の過去をえぐられるのは割と快感に近い感覚でありまして、非常に心地よくライブを観て、終演後は友人と肉を焼いて楽しく食いました。

そういえばHusker Duは、西新宿にあったROUGH TRADE SHOPで「Zen Arcade」と「New Day Rising」のCD再発盤を購入して聴いたのでした。今思い出しました。
今その場所は占い屋です。