去年のEPが大変によく、アルバムを心待ちにしていたバンド。
何がいいって、The Smithsっぽいところ。
The Smithsは、何か新たなジャンルを開拓したとか独特の音の出し方を発明したとかではないので、その存在の割にわかりやすく後継的なバンドがぞろぞろ出てくる感じではないのですが、1994年デビューのGene、2008年デビューのNorthern PortraitあたりがMorrisseyさんを意識した朗々とした歌い方まで押さえているナイスバンドでして。
それらを大変面白く聴いているのですが、遂に2020年代にも酔狂が現れました。
40年を経てまだ神通力がある。あることにしたい。
しかしGeneはUK、Northern Portraitはデンマークですが、Brigitte Calls Me BabyはUSですよ。シカゴ。
これが国境も時代も越えてあらゆる音楽に触れられる世代ならではとは思うのですが、それでもシカゴでこんな音出していて、舐められたり怒られたりしないのだろうかと少し心配になります。
とりあえずこういう方針で音を出そうという人間が5人集まったことがもう素晴らしい。
そしてフロントのWes Leavinsさんのそれっぽさは、ポストThe Smiths的な先人と比較してもなかなかな堂の入りっぷりで大変に頼もしい。というか普通にかっこいい。
ミドルテンポのM-1からエッジの効いたM-2、イントロのリフが印象的なM-3、みたいな流れはちょっとThe Smithsの1stっぽいなと思ったり。
ただ、アルバムの中でもEPに収録されていなかった新録曲の中には、アルバムからいち早くMV公開された「We Were Never Alive」等、早くもThe Smithsっぽさを脱した感じの曲もあったり、これからどう化けていくのかいかないのか。
CDの日本リリースも予定あるようですし、来日を切に希望いたします。
ロッキンオンソニックあたりにぬるっと入れてくれんか。