27日はここ数年ワンマンとか折々で行くようにしているアイドルグループ、ヌュアンスの新体制初ワンマン@恵比寿ガーデンルーム。
所謂「推し」がいるという方には既知の事実かとは存じますが、ヒット曲が出た時とか何かで目立った時だけでなく、年単位でずっとバンド/グループを見続けると、その印象は点ではなく線になり、そこに間違いなく独自のストーリーがあることに気付き、その気付きを踏まえてライブを観るとまた単体で観るのとは違う見え方があって。
それが楽しかったり心打たれたりして、また次も行こうという気持ちになったりするわけで。
彼女たちの場合、この3月に最後のオリジナルメンバー、川井わかさんが卒業して以降初めての、所謂完全新体制初のワンマンライブだったのですが。
観て思ったのは、彼女たちのライブ史上最も「熱」を感じるライブだったということ。
過去他のグループで、エース級のメンバーが脱退することでそこまでの勢いを失って迷走してしまうという状況をいくつか見てきました。
元々ヌュアンスは、元々特定の推しがあまりいない「箱推し」気味のファンが多めだとは思っていたのですが、メンバーが変わっても実際本当に動員減らないし場の雰囲気も変わらず。
そもそも自分も4人の中で誰がエースなのかよくわかんないまま観ていましたし、実際いるような気もしないし、他のファンの皆もだいたいそんな感じなんだろうなという気持ちで。
結成時5人、数カ月で1人脱退して4人編成で約4年活動していたのですが、2021年から割と唐突にメンバー脱退が相次ぎまして。
そのたびに新メンバー募集をして新たなメンバーが入ってくるのですが、そこで不思議なのがグループとしての色や空気感が全く変わらないこと。
というか、新メンが発表されて顔を見るたびに「可愛いな」とかじゃなく「すごくヌュアンスっぽいぞ」と思うことばかりで。
そこらは運営が全くもってブレない「ヌュアンス感」を持っていて、それ基準にして選考を行っているとしか思えない状況。
特に直近で加入したるりねさんと桃子さん。
二人とも「ヌュアンス感」を間違いなく持っているのですが、特にるりねさんは加入発表時の画像を見た段階で「ヌュアンスという概念があるとすれば、それを形にしたら彼女である」と思ったくらいに大変に「ヌュアンス」で。
そこに全くもって変わらない安心感はありつつ、最初観た時は大変に心許ないステージングだった桃子さんが、今回堂々と立ち振る舞っているのを見てホッとするとかの、新メンならではの見どころもあったり。
ただ、その本質が変わらない一方で、変わったと思ったのがその「熱」。
オリメン時代のヌュアンスには「熱」とか「チーム感」を感じることってあまりなく、どこか飄々としたステージに感じる時もあるくらいで。
自分は「熱」とか「チーム感」があれば無条件でいいとは思いませんし、彼女たちの場合はワンマンに芸人さんをゲストに呼んでストーリー仕立て的にすることでライブを立体的に見せようとしていたり、そういう様々な試みも含めて好きだったのですが。
それが徐々に変わっていったのはオリメンが減少していくにつれ、残った川井わかさんが結果としてリーダー的な存在になっていった時期。
想像ですが、わかさんが元々のグループでやりたくてやれなかったこと、なりたくてなれなかったもの、新メンに託そうとしていたのが、そういう「熱」だったり「チーム感」だったのではないかと思ったり。
それが、彼女が去った今、きちんと受け継がれて芽吹いているのではないかと。
なので、今芽吹いたところでこれからも伸びしろがあると思うので、もう少し見届けようと思います。
というか、今回は恵比寿ガーデンルームという、大所帯バンドを乗せられるサイズのステージではないこともあってかオケ仕様だったので、現体制で生バンドのライブを観るまでは死ねない。
次のワンマンは、もう前みたいな「コロナ禍で動員制限」という言い訳も効かないのに、またKT ZEPP YOKOHAMAとか言い出して、これどうするんかいなと思うのですが、そういうところ嫌いじゃない。
馬鹿じゃねえの。愛してる。