ドレスコーズ×小西康陽のライブ@渋谷クアトロのこと

5月10日は渋谷クラブクアトロでドレスコーズ×小西康陽のツーマン。

ドレスコーズのライブがあるとだいたい声をかけてくれる先輩からまた声がかかったのですが、スマホ見て「何これ」と声が出た組み合わせのツーマン。
いや、わかってはいるんですよ。毛皮のマリーズの「弦楽四重奏曲第9番ホ長調『東京』」やドレスコーズの「スーパー、スーパーサッド」のタイトルはどうしたってピチカート・ファイヴの楽曲タイトルに引っ張られているわけですし。でもこうやって本当に並ぶとやっぱり違和感がある。

しかも、ここ数年の小西氏はDJと弾き語りはコンスタントに行っているものの、バンド編成でのライブは数えるほどしかないはずで、しかも今回は8人編成バンドQ.A.S.B.を従えてのライブという、なかなか観られないはずのヤツ。

先攻、小西氏。
楽器を一切持たず、ヴォーカルに専念する彼というだけでもう面白い。
「知ってるような曲はやりません」て言ったし、一発目はソロになってからの「東京上空3000フィート」だったので、まあそういう感じだなと思ったら次は「サンキュー」だし、その次は「初めて歌います」と言って田島貴男期の「これは恋ではない」やるし、何かすごい。
ラスト3発は「陽の当たる大通り」→「かなしいうわさ(スクーターズへの提供曲)」→「マジック・カーペット・ライド」という、どメジャーではなくてもいい感じの曲ばっかりをいい感じの演奏に乗せていい感じに歌う。
これ、すごくよくないか?と思いながらの1時間弱でした。

後攻、ドレスコーズ・
ここまでの異常な音楽性の変遷によって、もはやどんな音を鳴らしてもOK状態になっている志磨くんが、これを受けてどう並べてくるのかと思ったら、所謂エイトビートな曲ではない、あからさまに「非ロック」的な下敷きのある曲を並べてくるという、なるほど感溢れる選曲。
まあ、3曲目の「聖者」はモータウンではあるけれどそれ直接というよりはThe Smithsの「This Charming Man」経由でしょみたいなのも挟まるけど、でもいい。
そういう感じの楽曲を並べて、これはこれでいいなと思っていたところに、原曲よりも圧倒的にスピードアップした「ビューティフル」を投下してフロア爆裂。
その後、恐らく小西氏へのリスペクトも込めたであろう「弦楽四重奏曲第9番ホ長調『東京』」で本編終了。

アンコールは80年代歌謡曲テイストの新曲とやっぱり「愛に気をつけてね」で終了。
小西氏を呼び込んで何かいっしょにやったら最高だと思っていましたが、残念ながらそれはなし。

それでも「いいもの観た」感満載の気持ちで終了。
というか新曲がもう前のアルバムの音世界を更新しにかかっているので、やっぱり志磨くん頭おかしい。