bjork@東京ガーデンシアターのライブのこと

28日はbjorkの来日公演を観に東京ガーデンシアター。

今回の来日は「orchestral」と「cornucopia」という2つの異なったスタイルの公演を行う形で、できれば両方観たかったのですが、チケットが鼻が出るくらい高かったため、やむなく片方ということで「cornucopia」の方を選択、25,000円也。
これで屁みたいな公演だったら暴れてやるくらいの意気込みで臨んだのですが、これがとんでもねえことになっておりまして。

開演いきなりどう見ても日本人ぽい女性12人男性8人の合唱団が登場し、かなりアグレッシブにアレンジされた「さくらさくら」を歌い出す。
その後何曲か披露してスッと去って行って何だったんだと思ったのですが、結果としてその後の本公演のコーラスというかクワイアとして組み込まれて大活躍する方々で、恐らく各国各国での公演はこうやってローカライズされているのでしょう。かっちょいい。

トラックの音を出しているのは、PCいじってる人とドラマーの人、あと時々登場するパーカッションの人とハープの人。そしてフルート7人組、以上。というかなり滅茶苦茶な編成。
フルート7人組はほぼダンサーというか、概ね常にbjorkの周りを妖精のように囲んで常に動き回っていたので、これ実際には音出していないんじゃないかとも思っていたのですが、以下の公式ツイートの2枚目、右手手前の方が持っているUというかJ字型のがバスフルートですが、実際間違いなくバスフルート的な音は出ていたし、きっちり口元にマイクはあるので、ガチで音出しているんじゃないかと後から思い直したり。

全体としてはこれを「音楽ライブ」と呼んでいいのかどうか迷うレベルの独特過ぎる感触。かつて全く観たことのない、他に類するものが何もない、むしろbjorkを頂点とした国家による儀式を拝観しているような気持ち。

少なくとも「Hyperballad」やってくれねえかなあ、みたいな気持ちが入る余地の一切ない、トータルとして完成されまくったパフォーマンス。
アンコールでは「それ金属タワシかよ」的な謎の衣装も披露し、でもそれも照明当たると何だかとてもきれいで、もうとにかく「俺はbjork観たよ!」という気持ちでいっぱいになる。

本当、彼女の「おのれ自身をコンテンツとする」覚悟はハンパないですし、それでも「消費されて終わりにはしない」という矜持も強烈で、今そういうバランスでやれているミュージシャン、多分世界で彼女だけだと思います。

いや、これが25,000円なら妥当ですよ。文句ないですよ。本当に観てよかった。

Sigur Rosもとんでもなかったし、アイスランド勢はやっぱすげえ。あとは2020年1月に来日公演予定だったのがキャンセルされて、そのまま何のアナウンスもないOf Monsters And Menの来日公演が観たい。普通の音楽ライブで構わないから来て。