最近のレンタルCD/DVD界隈のこと

最近ライブとか映画の感想ばかりですが、いろいろ聴いたりウォッチしたりはしております。

TSUTAYAは相変わらずバタバタと閉店していますし、Tポイント事業もいろいろ課題山積でCCCどうすんねんと思っていたら、先日「TポイントとVポイントの統合」が発表されました。
統合の結果誕生する新会社はCCCが6割の出資ということですので、この新会社をうまいこと転がすことができれば、CCCは連結の決算でなら何とかかっこつけることができるかもしれない状況。
まあ、上手く転がせれば、の話ですが。

ということで本日はTSUTAYA以外のレンタル業界隈のことをかいつまんで。


■ゲオが新店舗をオープンさせている
今や主業はセカンドストリート名義店舗でのリユース事業になっているゲオ。
レンタルしか行っていないゲオの小型店舗を次々に閉店させ、セカンドストリート名義の中型大型店舗の出店を強化し始めてはや数年。
「ゲオ」名義の店舗は今年に入って既に30店舗が閉店し、TSUTAYAほどではなくても割と快調なペースで店舗網を縮小していたのですが。

何故か9月以降「ゲオ」名義で3店舗がオープンしています。1店舗は既存店舗の移転の形ですが、2店舗は新規オープン。

09/17:ゲオ 豊橋岩田店(愛知県・移転)
09/22:ゲオ 黒磯店(栃木県)
10/07:ゲオ 釧路鳥取店(北海道)

2022年にDVDレンタルを行う店舗が新規オープンするという、割と想像していなかった事態が発生しています。

黒磯店はTSUTAYAから2km程度しか離れていない場所という、割と殴りに来ている感じの場所の出店。ここら栃木県北部のTSUTAYAはビッグワンというFCが牛耳っているのですが、別にいよいよビッグワン社の状況が悪化したという話も聞きませんし、すごく強気を感じます。

釧路地域についてはTSUTAYAは2019年に完全撤退しているのですが、今回のゲオは最後のTSUTAYAがあった場所とは釧路市の旧市街地を挟んでほぼ逆の位置。
というかゲオ釧路鳥取店は以前に存在していたものの建物の老朽化のために2019年に閉店したのですが、約3年のブランクを経てようやく新たな適地(閉店したツルハドラッグの跡)を獲得して今回改めての新オープンという形。
なのですが既存の釧路星が浦店から2km強しか離れていない場所ですし、元々の釧路鳥取店よりも500mほど西、より星が浦店の方に寄っていますので、やっぱりこちらも強気を感じます。

旧作は30店舗も閉店していれば数店舗閉店セールしないだけで集められるでしょうし、割と初期投資低めでオープンは可能だと思います。
また、半ば中古のリユースが中心でレンタルはおまけ程度の店舗かもしれないですし、いろいろ邪推はできるのですが、それでも2022年にレンタルの新店舗オープンするの頭おかしい。


■福岡市ウッドランド、遂に閉店
福岡市の南区に「ウッドランド」という孤高のレンタルDVD店があります。
かつては数店舗のチェーンだったようなのですが、私がこっち方面に物心ついた時点で他の支店は既になく、残ったこの店舗もオープン34年を経てこの10月末に閉店と相成ります。

かつてチェーンとして存在してた屋号が消滅することも多くなっておりまして。

2015/07:ピープル(西新宿店)
2016/03:BIG BEN(勝田店/大みか店)
2017/01:ファレノ(十日市場店)
2019/02:人気堂(東刈谷店)
2019/02:ハリウッドムービーズ(高島平店)
2019/06:ビデレコ(曽根店)
2022/03:サンホームビデオ(江別店)

ざっくり拾っただけでもこんな感じで、既に「終わった」業態とはいえ割と寂しいことです。


■ビデオ合衆国USV、いよいよ危ない
消える屋号があるということは、現状いよいよ危うい屋号もあります。

・メディアステーションポパイ(広島県・残1店舗)
・キングスロード(徳島県・残2店舗)
・アイドル(長崎県・残1店舗)

そして本格的に危うくなっているのが、かつては東海地方と兵庫県を中心に全盛期には60店舗近い店舗網を誇ったビデオ合衆国USV
現在残り3店舗のうち愛知県一宮市の尾西店が、この週末24日に閉店です。

で、この尾西店の閉店は他2店が閉店するのとは異なる状況があります。
TSUTAYAは店舗の9割がCCCの直営ではなくフランチャイズですが、他のチェーンもおよそ同様にフランチャイズによる店舗があります。
ビデオ合衆国USVの場合、CCCにあたる運営本部企業はカジ・コーポレーションという企業ですが、尾西店はカジ直営の最後の店舗ということです。
残るのは岐阜県大垣市の店舗と神戸市の多聞店のみですが、この双方ともFC店舗。本部機能の統治がこれまでもどの程度効いていたかはわかりませんが、これで確実に放逐されてしまうことに。

上記キングスロードも本部企業は既に2017年にレンタル業からは撤収していて、残った2店舗はいずれもFC店で、実は屋号も「キングスロード」ではなく「キンスロ」と、微妙に変更しています。
とはいえ、残った2店舗のうちのひとつ、脇町店の看板加工のものすごいやっつけっぷりは最高ですが、泣けてきます。

時々メディアにも取り上げられる「令和の世の中でVHSばかりのレンタル店」、三重県伊勢市のジョイフルも、裏は取れていませんが恐らくかつて存在していたレンタルチェーン・ジョイフルの残党の可能性が高いと思います。

残ったUSVの2店が「野良」化することでどういう変貌を遂げるのか、少しドキドキします。
TSUTAYAもいろいろありますので、そっちはまた近々で。