発売時刻と同時にスマホとの壮絶な格闘の末、何とか押さえたライブ。どの席がいいとか言ってられない状況でしたので、結果としておっさん2人でペアシートでしたが、でもいいんです観られれば。
正味バンド自体は「割と好き」というレベルですが、今回は「マニア・マニエラ」という、死ぬほど好きなアルバムの再現ライブですので。必死になりました。
とはいえリリース当時のいろいろは知らず、CDになってリリースされたのを聴いた口ですが。すみません。
そんな感じなので、自分はこれでムーンライダーズ何回目でしょうか。カバーアルバムのレコ発ライブを日清パワーステーションで観たのが最初です。慶一さんが三角帽を被ってフロアを徘徊していたのを覚えています。
ビルボードはだいたい誰でもそうですが、ほぼオンタイムで登場。オリジナルメンバー5人が前列に並び、正式メンバーになったドラマー夏秋さん&サポートの澤部&佐藤が後列という陣形。
白井さんが最初にステージに登場、「変な音出す大会」を開始して、徐々にメンバーが入ってきて音を重ねていき、結果としてそれが「Kのトランク」になっていくという形でスタート。正しくアルバムの曲順通りに進みますが、当然のようにアレンジは全く違うわけで、全編にわたってシーケンスの使用は一切なく完全人力。
もうアルバムのアレンジは当然のようにここに至るまでの過程で解体し尽され、「花咲く乙女よ穴を掘れ」はむしろスワンプな匂いがするほど。楽曲は生きているのだということをいろいろ感じながら。
それでも「温和な労働者と便利な発電所」を生で聴くことは、今後の彼らのライブに全通したとしてあるのだろうかと考えると、割と神妙な気持ちにもなりつつ、でも曲終わりで慶一さんが「温和な労働者よ、立て!」とアジって起立を促して(本来現在のビルボードライブでは起立禁止)、「スカーレットの誓い」になだれ込むあたりの流れはさすが。
というか、「温和な労働者」「スカーレットの誓い」という、ムーンライダーズの数ある楽曲の中でも「シンガロング」度高めの曲で声を出せないのはなかなかキツい。薔薇がなくちゃ生きていけないんですよ。
で、アルバム楽曲全曲通していったん終了、メンバーおよそ一旦はけるんですがさすがに岡田さんは本人曰く「復帰まであと一歩」というレベルであって行ったり来たりを普通にするのもまだしんどいようで、そのままステージ上に残ってピアノソロ開始。
その流れで他メンバーが戻って来てアンコール的に「青空のマリー」。すごくいいな。泣くな。
岡田さんはもうそこにいるだけで嬉しいのですが、それでもまだいろいろ厳しいようで、介護のように楽器&楽譜替え補助のスタッフが後方に常駐する感じで、「やり慣れていて体で覚えている」曲以外メインは佐藤さんの方が担当していまして、あと概ねリズムギターと「大きな声を出す係」は概ね澤部さんという塩梅。
ていうか観るたび体積が大きくなっている気がするんだけど澤部。
あと、ビルボードライブに向かう時、大江戸線の六本木駅から上がって来たんですけど、B1階や1階に、不審者のようにうろうろ徘徊しているソロのおっさんが散見されました。中には鞄に薔薇を一輪さしている方もいらっしゃったりして。
ビルボードライブ東京、一見さんには割とわかりにくい場所なので、止むを得ない。他のライブにも行こう。楽しいよ。