4月2日に銀座の東急プラザ5階に「Space Is The Place」というお店が開店したのを今日見てきました。
一応中古レコード屋にはカウントしていますが、どっちかといえばオーディオ機器販売の方がメインのお店。レコード棚は壁際に1列のみ、あとはオーディオ機器のリスニングスペースというか、部屋で聴くような感じで試聴できるようになっています。
ここらへん界隈には、有楽町の阪急メンズ館に2019年にオープンした「ギンザレコード」というお店がありまして、そちらもレコード販売とともにオーディオ機器の販売も行っている店で。
こちらは床面積の半分以上はレコードで残りのスペースでインテリア性の高いスピーカーとかを販売している形なのですが、「Space Is The Place」はより一層オーディオに振っている感じで。
21世紀の始まりと同時に銀座ハンターが死んで以降、もう銀座のメイン地域でレコード売って商売成立させることはできなくなって、利益率の高いオーディオを押さえに行くのは非常にわかります。
アナログ再評価以降、都市の商業ビルにそういうショップを入れたいという希望もきっとあるのでしょうが、正味それをきちんとそういう都会の商業ビルにマッチした形でビジネスとして提供できる企業はほとんどいないというのが日本の現状。
現在の日本で最もアナログを売ることに最適化された企業はディスクユニオンですが、ディスクユニオンはその最適化の方針がデカい商業ビルのテナントに当てはまるような形ではなく。
「Space Is The Place」はFace Recordsが関連企業と組んで立ち上げた店舗ですが、Face Recordsは元々1990年代に裏渋谷というか、宇田川町の外れの雑居ビルから始まり、Yellow Pop渋谷店跡に移転して(元)シスコ坂界隈に進出して堅実に商売していると思ったら、アメリカに進出したり渋谷のMIYASHITA PARKに支店出したりいろいろ展開しての今回のこれ。
正直、いつの間にかディスクユニオンに次ぐレベルの「中古アナログ」界を背負って立つ企業になっていました。
一方、ギンザレコードはレコード通販大手のサウンドファインダーが手がけている店舗ですが、現状でビジネスとして大受けしている様子もなく、そのメソッドをガンガンに拡大していこうという感じでもありません。
こうやって見てると、恐らくいろんな商業施設に「今流行りのアナログ」の店舗を出したいというニーズはけっこうあるのではないかと思うのですが、レコ―ドだけではやっぱりしんどく、ではそれ以外の関連アイテムも含めてと考えると、そのニーズを完全に満たすだけの受け皿になる企業が今の日本にはFace Recordsというかその運営企業であるFTF以外に存在していないというのが実際なのではないかと。
ということをいろいろ考えていると、現状ではそっちにタッチしていないものの「オーディオユニオン」という業態も持っているディスクユニオンが本気出したら、他は全部死ぬんじゃないかとも思ったり。
ただ、Space Is The Placeもギンザレコードも「中古レコードを日々掘っているような人間」はまるで相手にしていない値付けですので、やっぱりユニオンはこっちには出張ってこないんじゃないかと思います。
ユニオンを信じている。