CD販売レンタル界隈2021年10大ニュースのこと

何となく考えていたまんま年を越えてしまいましたが、やってみます。
2021年のまとめみたいな感じになってしまいましたが。


タワレコ、耐えきれなくなる
実は2018年以降、3年にわたってどの店舗も閉店せずに踏ん張ってきたタワーレコードが、2021年遂に耐え切れなくなり、3店舗を閉店。

03/07:TOWERmini 汐留店
11/03:タワーレコード 香椎浜店
12/01:タワーレコード 北花田店

また、閉店のみでなく、新宿店は4フロアあった店舗を2フロアに、池袋店は2フロアを1フロアに縮小したり、既存店舗のサイズダウンも発生しています。

年が明けた後も
01/19:タワーレコード 梅田大阪マルビル店
01/31:タワーレコード 東戸塚店

閉店が決まっています。2022年、また踏み止まれるのか、もう無理か。

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新星堂が杉並区から消滅
元々高円寺の小型店から出発し、法人化した際の本社の住所は荻窪。新星堂は杉並区の中央線沿線を本拠地にして全国チェーンに成長しました。
当然のように高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪・西荻窪各駅近くに店舗を構えていましたが、ひとつ減りふたつ減り、そして阿佐ヶ谷店が8月に閉店して杉並区から新星堂が消えました。

というか、この1月に錦糸町店も閉店したため、23区内で通常業態で営業している新星堂は葛西店のみ。厳しい。


K2 RECORDS、逝く
2010年代以降はほぼTSUTAYAとGEOの2大チェーンの寡占状態、地方中堅チェーンはいくつか残っているものの、単独経営型のレンタルショップはもう世の中にほとんど残っていません。
そんな中、単独経営&音楽レンタル専業という激レア業態で日本で唯一生き残っていた大阪・日本橋のK2 RECORDSが12/30にレンタル終了、1/28には在庫一掃セールも終えて完全閉店となります。
正直、よくぞここまでという気持ちの方が強いです。
セール初日は凄い行列で3時間待ちという話も聞きました。止むを得ないことではありますが、あの凄まじいコレクションが散逸することは何となく世の中にとっての損失のような気もなんとなく。

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大都市中心部のTSUTAYAが続々閉店
7/31に札幌・TSUTAYA 札幌大通、福岡のTSUTAYA 天神ショッパーズ福岡が閉店。大都市圏の旗艦的存在だった大型店舗が閉店しました。
東京では茗荷谷店・阿佐ヶ谷店といった小型店舗が続々閉店し、レンタル可能な店舗は23区内西部ではSHIBUYA TSUTAYAと池袋ロサ店への集約が相当に進んでいますし、大阪も3/14に難波中店が閉店し、今年の1/26には京橋店の閉店も決定、市中心部については阿倍野店に集約される形になりつつあります。

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トップカルチャー、レンタルやめることを決定
そんなTSUTAYA系のレンタルで一番大きなニュースだったのが、TSUTAYAのフランチャイジーの中でも最大手と言ってよい規模のトップカルチャーが2023年度までにレンタルをやめます宣言したこと。
実際、年末の段階で20店舗以上は、元々レンタル取り扱ってなかったり既にレンタルをやめているのですが、

01/31:蔦屋書店 豊栄店
05/31:蔦屋書店 厚木戸室店
10/31:蔦屋書店 小千谷店

昨年1年で規模が大きくない3店舗は店ごと閉店しておりまして、おそらくそういう取捨選択的な形での閉店は2023年に至るまでにまだまだあるものと思われます。

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フタバ図書、TSUTAYA化
一方、広島拠点のレンタルや音源販売も行っていた総合書店チェーンのフタバ図書は、粉飾決算とかでいろいろ大変になり、結局11月までに「フタバ図書TSUTAYA」名義の店舗に置き換え完了しました。
全国から続々TSUTAYAが減っていく中、広島界隈だけは続々とTSUTAYAの看板が増えているというなかなか異常な状況になっております。
とはいえ、広島駅前のある意味ランドマークだったGIGA広島駅前店は9月で閉店。TSUTAYA化した店も正味いつまでもつのか。

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ゲオスピード、速攻で消滅
GEOが実験的に調布市仙川・世田谷区祖師ヶ谷大蔵の2店舗で2019年から展開していた無人型の店舗、GEO SPEEDですが、仙川店は2020年3月というすごいスピードで閉店し、残された祖師ヶ谷大蔵店も2021年6月いっぱいで閉店しました。
アプリで注文して店舗に行くと、ロッカーの中に注文したブツが入っている仕組み、接客は完全に無人化され、バックヤードに当たる位置に1-2人置けば業務が回る形の省人化店舗だったわけですが、その程度のコストカットでレンタルがどうにかなるわけでもなかった、ということで。

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名古屋の音楽堂、消滅
名古屋の栄地下街で1965年来営業を続けてきた音楽堂が5/31に閉店しました。
一時は郊外のショッピングモールや一宮駅や岐阜駅の構内等5店舗程度の規模でチェーン展開していたこともあったのですが、徐々に縮小して最後の店舗が閉店。
「音楽堂」という屋号は他にも各地にあるのですが、この栄地下街を本拠にした「音楽堂」はこれで消滅。
また、大都市圏の地下街で営業している新譜CD店は、これで札幌駅地下街の玉光堂パセオ店のみとなり、そのパセオ店も北海道新幹線の工事のため今年9月までには閉店します。新宿のHMV&BOOKS SPOT SHINJUKUも地下ですが、あれは「地下街」ではないんじゃないかなと思っています。


ディスクユニオンが無双
どこもCDチェーンが青息吐息の中、過去から一貫してアナログ盤を扱い続けてきたディスクユニオンは、アナログ人気にうまく乗り、3月には渋谷に新店舗を出店、7月には新宿の店舗を移転すると共に「ベストアルバムストア」を開設、そして10月には名古屋に初上陸と、唯一無双状態の快進撃。
アナログ重視やジャンル別のきめ細かな商品・店舗展開等、昔からやってきた営業方針が今の状況に非常にマッチしていると感じます。当面勢いは続くんじゃないかと思います。

 

バナナレコード、栄を去る
地味なところでは、ディスクユニオンが名古屋・栄に出店する直前の8月、名古屋の中古屋チェーンの雄バナナレコードは1981年以降長年本拠地にしてきた栄地区の店舗を閉店し、大須地区を新たに本拠地とする形になりました。
別にディスクユニオンから逃げたわけではなく、栄本店があったビルの老朽化による建て替えのための撤収なわけですが、何かこの「入れ替わり」はいろいろ象徴的でもあります。


で、2022年になりましたが、この1月は既にTSUTAYAは月単位では最高レベルの閉店が決まっていますし、GEOも来月には過去にない数の店舗の閉店が発表されています。
これまでも所謂「カウントダウン」はずっと続いていましたが、今年はこれまで以上に目に見えて減っていく1年になるんでないかと思いつつも、それでも正味、5-6年前にぼんやり考えていたよりはずっと「もってる」とも思うので、ようやっとという気持ちも。