音楽ナタリーにこんなニュースが出ていたのですが。
いつの間にそんな名前が付いていたんだ「ファンネーム」。
あと、デビュー前のグループがこういう呼称を自ら発信するのも、最近は随分と普通になりました。
こういう呼称の過去を辿ると、思い付いた限り最古のそれは音楽じゃないですが「Sherlockian」。日本だと「サユリスト」とかそこらへんでしょうか。
音楽だと世界では新聞がビートルズの熱狂的ファンを「Beatlemania」と呼んだり、日本ではアルフィーのファンが「アル中」を名乗り始めたのが相当に古い事例だと思います。
ただ、実際ここらへんの呼称というのはファン自身が自称し始めたのがファンコミュニティ内に広まる形で一般化していき、ミュージシャン側は知っていてもあんまり気にしない、というパターンが今もって割と多く、ミュージシャン側から発信した事例というのは、思い付く限りの最初はLUNA SEAファンの呼称であるところの「SLAVE」なんじゃないでしょうか。
公式ファンクラブ「SLAVE」が発足したのはメジャーデビュー直前の1992年1月、この名称が元々ライブでメンバーがオーディエンスをそう呼んでいたのか、ファンがそう自称していたのをバンド運営側が拾って付けたのかどうかは正味よくわからなかったのですが、少なくともファンクラブ発足の時点で「SLAVE」は「正式な」呼称となりました。
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<追記>
聖飢魔Ⅱがファンを「信者」と呼んだ事例を教えていただきました。これは元々コンセプチュアルなバンドにとって必須の要素だったと思います。
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それ以降、黙認組であれ公認組であれ、ネットが普及するにつれそういう呼称も容易に流通するようになり、またSNS上でファンが交流することが当たり前になった状況下では、そういう呼称があってそれを自称することで確実にファンとしての帰属意識は高まります。
かといって、イメージを大切にしていてそういう呼称もきちんとしようとするグループの場合、ファンからの自然発生に任せていると、サカナクションファンが自称する「魚民」みたいな、最初に思い付いた人はすごいんだけどややあさっての方向でかつ商標的にバンド自身が公に使いにくいものになってしまうリスクもありますので、ミュージシャン側から早いところ発信してしまった方がいろいろ具合がいいわけですね。
曲中の振りに「〇〇ダンス」という名前を付けて動画SNSでバズらせようとする試み等もそうですが、ヒットさせたようとしたりファンを増やそうとしたりそのロイヤリティを高めようとしたりするために、一昔前より考えて発信するべきファクターが異常に多くなっているような気がします。
運営の皆さん大変だと思いますが、頑張ってください。
以上、最初の1回以外「ファンネーム」という語を使わないで書き終わってしまいました。正味、まだ違和感があります。