池袋西武の山野楽器が閉店すること

何かお店の話が続きますが、ニュースがだらだら出てくるので仕方がない。
今回は、山野楽器 西武池袋店が8月下旬で閉店するという話。

池袋駅東口と山野楽器といえば、往年のレコードディガーな皆様ならみんな大好きパルコのオンステージ・ヤマノ。
外資系やWAVEが拡大するまで、ここまで大規模に「掘れる」輸入レコード店もなかったわけで。いや、私は1980年代はだいたい四日市市在住なので後から聞く話だけですけど。

およその流れをたどってみると、1980年代までは、西武百貨店に西武グループの標準型レコード店のディスクポート、パルコにはオンステージ・ヤマノと通常業態の山野楽器池袋パルコ店のダブル店舗体制。

1995年頃、元々は外部のビルに入居していたWAVEが、西武百貨店に入ってディスクポート名義からWAVEに変更されます。
2003年3月にはパルコ内の2つの店舗が合体してオンステージ・ヤマノ一店舗体制になるのですが、その年の末にはその店舗も閉店し、いったん山野楽器は池袋から姿を消すと同時にパルコ本館からCD店がなくなります。

まあ言うても1994年以降パルコの別館的位置付けのP'PARCOができて、そこに元々南池袋の路面にあったタワーレコードが移転してきてきれいな店舗で国内盤も扱い始めてブイブイ言わせたこともありまして、山野楽器は一店舗体制後の評判があまりよろしくないこともあり、そんなタワレコに勝てずそのまま閉店という形。

その後WAVEの経営状況がみるみるおかしくなり、西武グループからも離脱、2009年の初めに池袋からの撤退を余儀なくされるのですが(その夏には企業として破産)、そのWAVEが飛んで突如空いた穴を埋めたのが山野楽器。戻ってきました。ついに西武百貨店の方で営業を行う形になります。
でもそんな救世主的存在だったはずの山野楽器なのですが、2009年頃にはCD自体がいよいよ斜陽になりつつあったこともあり、しばらくもたたずに鬼っ子状態、2015年には百貨店本館から南の外れの方にある別館に移転します。
それ以降、正味すごい細々感のある店舗で営業していたのですが、それも遂にこの夏で終わるということです。

ということで「池袋駅東口の壁っぽいあたりのレコ屋」の流れですが、まとめとして年表っぽくしてみます。

-1994
西武百貨店:ディスクポート
パルコ:オンステージ&山野楽器

1994-
西武百貨店:ディスクポート
パルコ:オンステージ&山野楽器
P'PARCO:タワーレコード

1995-
西武百貨店:WAVE
パルコ:オンステージ&山野楽器
P'PARCO:タワーレコード

2003-
西武百貨店:WAVE
パルコ:オンステージ
P'PARCO:タワーレコード

2004-
西武百貨店:WAVE
P'PARCO:タワーレコード

2009-
西武百貨店:山野楽器(本館8階)
P'PARCO:タワーレコード

2015-
西武百貨店:山野楽器(別館B1階)
P'PARCO:タワーレコード

2021-
P'PARCO:タワーレコード

この山野楽器の閉店で、池袋駅東口近辺に残るのはタワーレコードのみということですが、正味タワレコも規模を縮小していて、渋谷や新宿と比較するとかなりしんどい感じでありまして。
東口その他は、サンシャイン通りのHMVは速攻で撤退し(現在はBOOKOFF)、サンシャインシティでオープンしたり移転したり閉店したりを繰り返していた新星堂はこの2月に完全閉店、V系専門店になる前はHR/HM系の洋楽も扱っていたBrand Xは夜逃げ、TSUTAYAも2店舗潰れ、タワレコ以外で残っているのはディスクユニオンと、最近駅近から微妙に外れた場所に移転して「東口」って言っていいのかわからなくなった老舗レコ屋のだるまや。

西口は、いくつかあった中古屋も消え、レコードも扱っていた古書店八勝堂も閉店。残っているのは東武百貨店で孤高の営業を続ける五番街と、メトロポリタンプラザ→ルミネ→エソラと、移転するたびに小さくなっていくHMVと、西口の中古レコード担当ココナッツ・ディスク。レンタルはロサ会館のTSUTAYA。
いや本当にこれくらいですよ、今の池袋。

というか、派手な再開発はないのですが、地味にいろいろ変わっている池袋。個人的にはサンシャイン通りのデニーズが閉店したのがキツいです。俺的待ち合わせのメッカだったもので。