「GEOYA(ゲオヤ)」のこと

CD店やレンタル屋の開店閉店情報の集約に、各地の地域情報ブログはけっこう大事な情報源なのですが、巡回しているそのひとつにこんな情報が。

GEOの新業態「GEOYA(ゲオヤ)」が蓮根と南常盤台にオープンするみたい。

TSUTAYAは、図書館業務の委託やT-SITE等のテナント型店舗によるBtoB業態を拡大する一方、従来の店舗型BtoC業態としては、レンタルと書籍販売の総合書店型の閉店はさして多くないものの、レンタルのみの小型店舗の閉店割合は非常に多く、また新規オープンのほとんどは書籍販売の専門店でありまして、あからさまに書籍販売の方に比重を高めています。

一方、GEOはBtoB型の業態をほとんど持たない一方、店舗型BtoC業態は、TSUTAYAのような書籍販売との併設店はあまり多くなく、代わりにほとんどの店舗がレンタルと共にゲーム販売を行っているわけですが、ゲームの方が現状全体的に悪くないためか、閉店はあまり多くありません。
ただし新規オープン店はこっちもやっぱりレンタル取扱いの店は多くなく、総合リサイクルショップの「セカンドストリート」名義の店が大部分。

ただGEOの場合、そういう総合リサイクルショップの業態というのは、BOOKOFFが本・CD・ゲーム以外のリサイクルにも手を伸ばした業態であるBOOKOFF SUPER BAZAARと丸被りでありまして、またそういう総合リサイクルショップは各地方に既にローカルチェーンもあったりしまして、正味どっちかと言えばレッドオーシャンな感じで。

とはいえ、GEOもそれはわかっておりまして、GEO、セカンドストリート以外にも、ブランド品の中古売買やレンタルを手掛ける「おお蔵」や文具のディスカウント販売の「文具のブンゾウ」等の様々な業態を立ち上げています。

で、新業態の「GEOYA」です。

ここまでは中古販売だったり総合書店型の店舗の多くでは文具も扱っていましたので、別業態も概ね「延長線上」ではあったのですが、この「GEOYA」はもう全く新しい形。
いや、最近のGEOはレジ前でお菓子等を結構なスペースを取って展開していたりもしましたので、そこの拡大型と考えればそうと言えないこともないのですが、ものすごく平たく言えば駅構内の売店の街中への展開という感じ、なのか。
でも駅構内の売店業務がどんどん大手コンビニに委託されている中ではむしろ逆行している感もあります。ていうか「焼いも」って何だよ。

要するにコンビニ業態から事前の施設への投資や流通等の大型コストが不可避な日配品関連をカットした形、ということになりますが、正味「これが会社の未来を担うんじゃ!」ほどの気合いでもって立ち上げたものではないと思います。今後の企業としての生き残りを模索するにあたっての観測気球的な側面が大きいのでではないかと。

セルフレジ形式云々というところから、仙川と祖師ヶ谷大蔵の2店舗を立ち上げて速攻で仙川の方が死んだ無人レンタル業態の「GEO SPEED」も、もしかしたらそのデータ収集の役に立っていたのかもしれません。
半年で死んだGEO SPEED 仙川店も、無駄死にではなかったと信じたい。