イオンモール上尾に山野楽器の新店舗が入ること

12月4日、埼玉県上尾市にイオンモール上尾がグランドオープンいたします。
こういう立場なので、そういう商業施設にCD/DVDショップが入店するのかが気になるわけですが、今年100店舗以上の規模でオープンした商業施設で見るとこんな感じ。

06/05:Coaska Bayside Stores→くまざわ書店がCDも取り扱い
06/17:有明ガーデン→HMV SPOTが入店
06/19:イーアス沖縄豊崎→なし
06/24:JR横浜タワー→なし
09/14:ららぽーと愛知東郷→なし(TSUTAYAは書籍のみ)
11/20:心斎橋PARCO→なし
12/04:イオンモール上尾→山野楽器

正直こういう世の中でまだ頑張っている感はあり、そしてイオンモール上尾にも山野楽器がオープンします。

Coaska Bayside Storesは見学に行ったのですが、CD/DVD売り場は書店全体の面積に比べるとごく一部と言っていいですし、有明ガーデンのHMVもHMV SPOTという正味極小店と言っていいレベル。
それに比べると山野楽器は頑張っている、と言いたいところではあるのですが、たぶんそう言えない状況になるだろうと思うのです。

山野楽器の上尾の前の新規オープン店舗である南町田クランベリーモールの店舗を先日見学に行ったのですが、そのCD販売の割り切りっぷりにかなり衝撃を受けまして。
山野楽器はその屋号の通り楽器店であり、店舗は概ね楽器売り場とCD/DVD売り場を併設する形になっているのですが、南町田はもう本当にCD売り場が「おまけ」になっていて。
一応、店舗の入り口付近に陣取ってはいるのですが、棚に並んでいるのはその時の売れ筋と乃木坂とK-POPとジャニーズくらいで。商品種としてたぶん500種もないでしょう。
だから、多分イオンモール上尾もそれくらいの割り切りでくるのだろうなと思うのです。

というのも、くまざわ書店もいざとなったらCD/DVD売り場を撤収しつつ書店の営業を継続することができますし、HMV SPOTは床面積的に撤収を余儀なくされたとしてもダメージは最小限。そういう建付けであり、同様に山野楽器も最小限のコストでCD/DVDの展開ができて、いざとなったら全撤収します、くらいの感じになっているわけです。

正直、世のCDの売上の中で、店舗でうろうろしながら商品を品定めするような購入方法によるものは以前に比べて相当に減り、CD売上の相当な割合が予約によるものになっています。
だとすれば、予約の受付と商品引き取りの窓口さえあればいいわけです。

HMV SPOTという業態はまさにそういう窓口という割り切りによるものですし、書店との兼業、楽器店との兼業、という業態の場合は、いずれソフト販売の割合が削られていって、そして消えていくということを想定しての営業を行っていると考えていいのではないでしょうか。

銀座山野楽器本店は、恐らく現存する最古のレコード店です。そもそも楽器店だった店が蓄音機の扱いを開始し、当然その頃はソフト専門店などありませんでしたからソフトの扱いも開始して、蓄音機がゼンマイ式から電蓄になって、楽器よりは電化製品カテゴリになって以降は楽器とレコードの取り扱いという感じになったわけですが、始まりから一世紀以上経って、また楽器の専門店に戻っていくという、この時の流れよ。